増田惠子、名曲ぞろいのソロデビュー45周年記念ライブ開催 中島みゆき「慕情」カバーは「夫へのラブレターのつもりで歌いたい」

――今回のライブで披露されるカバー曲はすんなりと決まりましたか?
増田:今の私が歌いたい曲を集めました。竹内まりやさんの「人生の扉」は50代になった時に聴いて大好きになって、ライブでも歌わせていただいているんです。歌詞に「気がつけば五十路を越えた」とあるので、60代になった時に「まだ歌っていいのかな?」と一瞬思いましたけど(笑)、大好きな曲なので吹っ切って歌っています。
みゆきさんの「時代」は初めてチャレンジするのですが、「ここの歌詞ってこういう意味だったのか」と新しい発見がありました。でも、この「時代」って、みゆきさんが20代の時に書いてるんですよ。歌の神様から地上に降ろされた人というか、私にとってはもう神なんですよね。
――中島みゆきさんの曲は2部で「慕情」も披露されます。
増田:『やすらぎの郷』というドラマの主題歌として最初に聴いた時に雷に打たれたような衝撃を受けたことを覚えています。涙も震えも止まらなくて…。
今から3年前に、私の兄嫁が膵臓がんの末期で亡くなったんですね。亡くなる前にお見舞いに行った時に、姉が私の胸で兄がひとりぼっちになっちゃうと泣いたんです。それがもうずっと忘れられなくて…。この「慕情」は兄や姉の後悔と慟哭の歌だなと感じて、その気持ちを代弁して歌ってみようと思ったら、泣かずに歌えるようになりました。それからステージでも歌うようになったんですけど、そうしたらその後主人が同じすい臓がんの末期になって逝ってしまって…。
世界には大切な人を亡くされた方がたくさんいると思うんですけど、こんなに深い悲しみがこの世界にあるんだと自分も経験したことで、そういう人たちの励ましにはならないけれども心に寄り添えるような、そんな歌がもっと歌えるようになるんじゃないかなって感じています。主人へのラブレターだと思って歌っていますし、この曲との巡り合いは私にとってすごく大きなものになりましたね。

――2部ではピンク・レディー時代の曲も披露されますが、この3曲を選ばれた理由を教えてください。
増田:毎回ライブでは何曲か披露しているのですが、毎回総立ちで歌って踊ってくださるので、皆さんがよく知ってる曲をと思って選びました。昔の事務所でファンクラブを仕切ってくれていたリナちゃんという人がいるんですけど、彼女も元々私のファンだった人なので、どんな曲が人気なのか聞いてみたりして。そうしたらこの3曲だったんですよね。
――ファンそれぞれに思い入れのある曲がいっぱいありますもんね。
増田:そうなんです。でも、当時からつい最近まで私が1番好きなのは「マンデー・モナリザ・クラブ」なんです。これぞ私が歌いたかった曲!という感じでした。当時あまり評判が良くなくて2週間しか歌わせてもらえなかったんですけど、ディスコサウンドがかっこよくてソウルフルで大好きだったんですよね。
逆に当時は苦しくて歌いたくないっていう曲もあったんですよ。それが今は一番大好きな曲になった「カメレオン・アーミー」。
――僕も大好きなのですが、あの曲はダンスがすごく激しい印象があります。
増田:あの曲を歌う時は人格を変えました。また次のライブの時にはそういった曲も披露するかもしれないので、今回のライブを入門編としてまずは楽しんでいただきたいです。

