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名取裕子、約40年ぶり披露の花魁姿は「重くてびっくり!」 『吉原炎上』五社英雄監督&京都撮影所との思い出振り返る

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◆五社英雄監督&エネルギッシュな京都撮影所から学んだこと



 『吉原炎上』は、本作でバディを組んだ友近も「大好き」だと公言している一作。五社英雄監督がメガホンを取り、吉原遊廓に生きる女たちの情念や生き様を鮮やかに活写した傑作で、今でも多くのファンを生み出し続けている。主演を務めた名取にとって、どのような作品として心に残っているだろうか。

 「大変でした。体力があったからできたと思います」と切り出した名取は、「いまだによくわからないところもある作品なんです。(主人公が)好きな相手のところへ行かず、彼がくれたお金を花魁道中に使ってしまうなんて『なぜ…? 行けばいいのに!』と思ったりして。五社さんにも『なぜ行かないんですか?』と聞いてみたんです。すると『お嬢、噛み砕けないところが面白いんや』って」とにっこり。

 五社監督のもと、ものづくりに励んだ日々は「本当に楽しかった」と懐かしむ。

 「五社さんはすごくチャーミングな人で、無茶なことを言われたとしても憎めないような、カリスマ性のある監督。コワモテかと思うとそうでもなくて、シャイなだけだったりして。とにかくピュアで情熱的で愛すべき人なので、みんなが『この人のために何かしたい』と思わされる。ちょっとドジなところもあって、『肉体の門』の撮影中には、五社さんが堀に落ちてしまったことがあるんです。いつも着ているオレンジ色の革のダウンも汚れてしまって、ドテラに着替えたりして。牢名主みたいで、なんだか可愛かった」と目尻を下げながら、エネルギッシュな京都の撮影所で「一生懸命にやっているスタッフのみんなが、俳優である私たちを支えてくれているんだと実感した」とも。

 「『吉原炎上』では、劇中に出てくる川をセットの中に作っているんですが、真冬の撮影だったので川の水がすごく冷たいんですね。私は、そこに浸からないといけないシーンがあって。NGを出して3回くらい撮り直したんですが、スタッフの方が『気は心やからな』と言って、沸かしたお湯をドラム缶に入れて、私が落ちるところに注いでくれるんです。もちろんドラム缶1杯のお湯では、川の水の冷たさはどうにもならない。でもそうやって気を配ってくれることが、とてもうれしくて。みんながそれぞれの持ち場でできることをやり、コツコツと努力をし、そういった想いが重なって作品ができているんだなと実感しました」としみじみ。「私たち役者は、表現者としてできることを精一杯にやって、お返しするしかない。責任を持って、表に映るという役割をきちんとやらなければいけないと思いました」。


 約50年のキャリアにおいて、「それぞれの持ち場で一生懸命に働いてくれる皆さんが、私の恩人」と力を込めた名取。『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』においても、周囲への感謝があふれ出す。「今回も俳優さん、スタッフの皆さんが、一生懸命に仕事をしてくださった。そうやってできた作品を通して、ご覧になった方々が楽しい気持ちになってくださったら、こんなにうれしいことはありません。手に汗を握るような展開もあり、笑顔になれるようなシーンもあり、疲れた心を癒す温泉のような作品になっていると思います」とチーム一丸となって作り上げた完成作に愛情を傾けていた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

 映画『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』は、2月6日より池袋HUMAXシネマズ、全国イオンシネマにて公開。

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