ジャン・レノが明かす成功後の苦悩「映画の仕事が全くなかった」 『レオン』で共演ナタリー・ポートマンは「とても良い友人」
『らくだ』では、1988年公開の『グラン・ブルー』当時のことも振り返る。リュック・ベッソン監督によるこの海洋ロマンは、フランス国内だけで観客動員数1000万人を記録した大ヒット作で、日本でも多くのファンを生んだ。ジャン・レノが演じたのは、イタリア人フリーダイバーのエンゾ。その存在感は圧倒的だったが、成功ゆえの苦悩が待っていた。
「『グラン・ブルー』はカンヌ国際映画祭のオープニングを飾った。みんな私のことをエンゾと同じイタリア人だと思い込んでいた。そうした受け入れられ方を自分自身が消化するのに、すごく時間がかかった」。その苦悩もさらけ出す台本で、ジャン・レノは、エンゾの呪いへの叫びを上げる。
「『グラン・ブルー』の後、映画の仕事が全くなくなり、どうやって食べていくかとなった時、自分のキャリアの始まりを思い出した。演劇の世界に戻って、そこで生きていくしかなかった。私にとって演劇はオアシスのようなものだった」。映画の成功後、自ら映画界を離れていたのではなく、仕事がなくなっていたというのは、驚きだ。
追い打ちをかけるように、プライベートで自身の離婚も重なった。18カ月、ジャン・レノは地方の劇場の舞台に立ち続けた。名声も肩書きも関係ない場所で、一から自分を取り戻していく時間だった。「この世からいなくなってしまう可能性だってあった。実際、僕の仕事の仲間の中にも、アルコールに溺れたりして亡くなってしまう人がいる……。生きていられてラッキーです」。ジャン・レノは包み隠さず、そのときの思いを語った。

