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ジャン・レノが明かす成功後の苦悩「映画の仕事が全くなかった」 『レオン』で共演ナタリー・ポートマンは「とても良い友人」

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■稽古が始まっても探し続けた「ラストシーン」

 『らくだ』というタイトルには、ジャン・レノ自身の自己認識が込められている。先に行われた舞台会見でタイトルの意味を問われた時、ジャン・レノは次のように語っていた。

 「長年、私は自分のトーテム(内なる動物)が何かを考えてきた。私はワシのようにさっと飛んでいくタイプではない。ゆっくり反芻する。ゆっくり観察する。足元を確かめながら進む。自分の中にいるのはラクダだと思った」と。

 そのラクダが歩き始める場所が、幼少期の記憶だ。物語の冒頭、幼いジャン・レノは母とともに、カサブランカのアパルトマンのバルコニーから通りを行き交う人々を眺めている。「見てごらん! 見て、向かいの歩道を歩いていくあの青年、あの人が将来どうなるか分かる?」。母が出した小さななぞなぞの思い出が、舞台の出発点になった。

 “らくだ”が運んできたものを「家族、苦しみ、孤独」というジャン・レノ。「自分が演じてきた役は孤独を抱えたものが多かった。でも他の人との出会いに自分は養われてきた」としみじみ語った。


 ラストシーンが決まったのは、8〜9カ月前のことだった。

 最初は別のアイデアがあった。「イザベル・アジャーニ、ナタリー・ポートマン、ロバート・デ・ニーロ、トム・ハンクス……、これまでの仕事のパートナーたちが客席に混じっている想定で、彼らと語り合う形でのラストを考えていた」。しかし、そのアイデアは決定に至らず、演出のラディスラス・ショラーとニューヨークで稽古を重ねながら、ふたりはずっと「終わり方」を探した。そしてショラーが提案したのが、“今は亡き母からの電話”だった。

 会見でジャン・レノは「子どもたちに自分の人生を伝えたかった」と語っていた。しかし、完成した台本を貫いたのは、亡き両親への想いだった。

 そのエモーショナルなラストに、こちらが「台本を読むだけで胸が震えた」と素直な感想を伝えると、ジャン・レノは大スターではなく、母となぞなぞをしていた男の子に戻ったように、「Merci(メルシー)」と、とても嬉しそうな表情を全面に出した。

 最後に「亡き両親への自分自身の思いを伝える、この場面を演じるのは難しくないか」と聞くと、ジャン・レノは胸をそっと押さえながらこう答えた。「セリフによっては、言葉が詰まってしまうかもしれないね」。役ではなく、自分の人生を語るジャン・レノは、どんな声、歌、芝居、そして感情を見せるのだろうか。(取材・文:望月ふみ 写真:山田健史)


 ソロパフォーマンス『らくだ』は5月10日(日)~24日(日)東京芸術劇場 シアターウエスト、ほか7月19日(日)まで富山・兵庫・静岡・宮城・石川・高知・福岡・山口・京都・愛知・岡山の全国11都市にて上演。

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