伊藤彩沙、20代ラストの写真集で見せた“大人の甘さ”「誰かの憧れになれていたら」
――伊藤さんのお気に入りのカットは?
伊藤:お気に入りは、ビンタン島の岩場で撮影したカットです。青空の下、切り立った岩に囲まれて立っているような一枚で、今回の写真集の中でも特にスケールの大きさを感じていただけるカットになっていると思います。
自然の力強さを感じられる場所でありながら、衣装には白の甘く繊細な要素もあって。大自然の壮大さとファッションの甘さが合わさることで、今回の写真集のテーマでもある“新しい伊藤彩沙を見せていく”という意思が、表情にも表れているんじゃないかなと思います。私にとっても、とても印象的な撮影でした。
実は足場がかなりぐらぐらしていて、スタッフさんに手を借りながらバランスを取っていたんです。気持ちとしては、ちょっと勇者のような感覚で立っていました(笑)。とてもかっこよく、美しい一枚に撮っていただけたと思います。

――“素の自分”と“表現としての自分”、今回の写真集ではどちらがより強く出ていると思いますか?
伊藤:すごくいいバランスで、半々くらい出せたんじゃないかなと思っています。ただ、割合で言うと、“表現としての自分”の方が少し大きいかもしれません。
今回、フォトグラファーの中村和孝さんに導いていただいたことで、自分でも見たことのないような新しい表情をたくさん引き出していただきました。「こんな顔をしていたんだ」と思うカットも多くて、自分にとっても発見の多い撮影でした。
4日間の撮影だったので、すべてが最初からきっちり決まっていたわけではなく、「この衣装も撮れたら撮ってみよう」というように、その場で生まれたアイデアを大切にしながら進めていったんです。だからこそ、偶然生まれた瞬間がたくさん詰まっていて。予定されていたものだけではなく、その場の空気や流れの中で生まれた“結晶”のような写真集になったと思います。
一方で、食事をしているところや、お買い物をしているところなどは、もともと撮影する予定ではなかったんです。「せっかくだから撮ってみようか」と自然にカメラを向けていただいた場面で、そういうカットには、かなり素の自分が出ていると思います。表現として挑んだ自分と、旅の中でふとこぼれた素の自分。その両方が、今の私らしい形で写っている気がします。
――写真集を通して、どんな“伊藤彩沙像”を感じてほしいですか?
伊藤:私は、“憧れ”という言葉が原動力になっているタイプなんです。幼い頃から「こうなりたい」と思うものがたくさんあって、その憧れを目指しながら生きてきた29年間だったなと思います。
だからこそ、いつか自分も、憧れてきたものに少しでも近づけていたらいいなという思いがありました。そして今度は、自分自身が誰かにとっての憧れの存在になれていたらいいな、とも思うんです。
今回の写真集では、大人っぽさや新しい表情、素の部分も含めて、今の自分にできる表現をたくさん詰め込みました。その中で、「こんなふうになりたい」と思ってもらえるような存在に少しでも近づけていたら幸せです。
私がずっと憧れを追いかけてきたように、この写真集を見た方にも、前向きな気持ちやときめきを感じてもらえたらうれしいです。そんな“伊藤彩沙像”が届いていたらいいなと思います。
伊藤彩沙 写真集『アヤサージュ』 より(C)KADOKAWA / 中村和孝

