グループからソロに――北山宏光&セントチヒロ・チッチ「境遇が似ている」と意気投合 極寒で壊れていく夫婦役を熱演
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映画『氷血』場面写真(C)2026映画「氷血」製作委員会
――真っ白な雪の風景がポイントとなる本作。お二人が雪に倒れ込むシーンや、雪深い道のりを進んでいくシーンもありました。2025年の2月、厳冬期の福島で行われた撮影は、雪や寒さとの戦いでもあったのではないでしょうか。
北山:ものすごい量の雪が積もるので、道路も見えなくなってしまうんです。撮影場所に行く時にも本来、曲がるべき道が雪で見えなくなっていたり、僕たちが芝居をしている間にも雪がどんどん積もっていくので、車両部の皆さんが雪かきをして帰り道を作ってくれたりして。
加藤:雪景色は本当に美しくて目には喜びがあるんですが、体は正直なので。どうやったら体が温まるのかという研究をしていました。
北山:そんなことをやっていたの?
加藤:毎日温かいスープを水筒に入れて、寒くなったらそれを飲んだり。薄着のシーンでは、体にホットジェルを塗るようにしていました。体がポカポカするんです。
北山:そういうのがあるんだ! 僕はやっていなかったので、すごく寒かった…。それ、早く教えて(笑)。
加藤:すみません(笑)。悠希が雪に倒れ込むシーンは本当に寒くて、体がガクガク、ブルブル震えて。悠希から出てくる声や表情も、すべてリアルな反応です。
北山:ずっと泊まり込みで撮影をしていたし、みんな一緒に雪国で生活しているような雰囲気もあって。言葉にはしなくとも、現場にはスタッフさんも含めて僕らも「撮り切るぞ!」という団結力があったような気がしています。
映画『氷血』場面写真(C)2026映画「氷血」製作委員会
――厳しい寒さも団結力を高めたのですね。
加藤:「このスープ、美味しいよ!」って声を掛け合ったり。
北山:そうそう。「これ、あったかいよ!」とか「ここ、電波入るよ!」とかね。湖の上を歩くシーンは、僕たちもガチガチに震えていて。「子どもに耐えられる寒さなのかな」と心配していたんですが、(劇中の息子)晶は逃げずにやり遂げた。本当にすごいですよ。カットがかかった瞬間、「寒い、寒い!」って車の中に走って行きました(笑)。
――お話を伺っていても、撮影を楽しんだことが伝わります。夫婦役として共演した感想を教えてください。
加藤:北山さんは、みんなに分け隔てなく落ち着く空気をくれる方。だからこそ、一致団結できたんだと思います。そして役に入った瞬間、ガラッとその空気が変わる。その変化に、私も奮い立たされました。稔は役柄的にちょっと怖いところがあるので、カットがかかった後に、北山さんがおしゃべりをしてくださると安心するんですよね(笑)。寒くて辛い面もあったけれど、みんなで楽しみながら良いものを探求していくような日々でした。
北山:チッチの音楽シーンでの活躍ももちろん知っていたので、「どんな子なんだろう」と思いながら会ってみたら、猫のような方でした。人見知りで、まずは遠くからそっと様子を伺っているというか(笑)。最初はそんな感じだったけれど、僕らはどこか境遇が近いところもあって、一緒に撮影していくうちにいろいろなお話をさせてもらいました。お芝居で対峙(たいじ)しても、なんでもできる子なんだと驚きました。豊かな感性を、自らの肉体で表現する力がある。すごいなと思いました。
(左から)北山宏光&加藤千尋(セントチヒロ・チッチ)

