アニマーシブライブ『竜とそばかすの姫』昆 夏美、ミュージカルとは異なる歌声で新境地へ 新歌姫LAYRA(レイラ)に挑む
――本作で歌うことは、ミュージカルで歌うこととどのような違いがありましたか?
昆:役をまとって歌うこと自体は、普段のミュージカルと変わりません。ただ、今回はアーティストのような表現や歌唱法が求められる楽曲が多く、それを自分の中でどう消化し、役として表現するかに難しさを感じています。自分にはまだなかった引き出しを求められている感覚があって、そこが今回の楽しみでもあり、挑戦でもあります。

――LAYRAとして歌う楽曲の収録を経て、ご自身の歌声に変化は感じましたか?
昆:LAYRAとして歌う4曲はすでに収録していて、そのうち2曲はステージでも生で歌います。完成した音源の一部を聴いたとき、自分でも普段の声とは違って聞こえて、とても新鮮でした。周りからも「いつもの昆 夏美とは違うね」と言われたので、今回はいい意味で、あまり自分らしさが出ていないのかもしれません。
ミュージカルの楽曲と今回のような楽曲では、発声も表現方法もまったく違います。ミュージカルの発声で今回の楽曲を歌っても成り立たないですし、その逆も同じ。同じ“歌”でも、ジャンルが変わるだけで、声の出し方や表現は大きく変わるのだと、レコーディングを通して改めて感じました。
今も歌の稽古を重ねていますが、まだ自信があるとは言えません。ただ、同じようにステージで歌い、お芝居をするという条件でも、これまでとはまったく違う。そこが面白いですし、自分にとって大きな挑戦だと感じています。
――今回は、異なるフィールドで活動してきた5人が同じLAYRA/コトミを演じます。ほかの4人の表現をどのように見ていますか?
昆:ほかの4人は、アニソンシンガーやアーティストとしての活動に慣れている一方で、お芝居の経験がない方もいらっしゃいます。私は反対に、お芝居の経験はありますが、今回のような楽曲には慣れていない。まったく異なるフィールドで経験を積んできた5人が、同じ役を演じるというのは、とても不思議で面白いことだと思います。
SNSに上がっていた、ほかの4人の「わたしはLAYRA」も聴きましたが、皆さん本当に格好よかったです。それぞれが自分のフィールドで培ってきた表現を、LAYRAに投影していると感じました。
私は今回のような表現の引き出しがまだなかったので、ディレクターさんやエンジニアさんと一緒に作り上げていった感覚があります。ほかの4人の稽古を見る機会はまだありませんが、実際に目にしたら、きっとたくさんの刺激を受けるだろうなと思います。
アニマーシブライブ「竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA - 」LAYRA(レイラ)キャスト一覧(C)アニマーシブライブ「竜とそばかすの姫」製作委員会
――5人それぞれの表現と、観客の参加によって完成する本公演。実際のステージは、どんな体験になりそうでしょうか。
昆:感覚としては、ミュージカルや舞台よりもライブに近いと思います。ステージと客席の垣根を越えて、みんなで盛り上がり、一体となって作り上げていく。そんな参加型の時間になるのではないでしょうか。これまで私をミュージカルでしか観たことがない方には、きっと新鮮に感じていただけると思います。
――最後に、本作を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
昆:『竜とそばかすの姫』がお好きな方には、なじみのある世界観なので、すっと物語に入っていただけると思います。一方、普段から私を応援してくださっている方には、きっと新しい私をお見せできるはずです。
演劇とも、音楽とも、ライブとも言える、これまでにない体験になると思います。こうした世界に触れたことがない方にも、私を通して初めて体験していただけることをうれしく思っています。今は、さまざまな新しい表現と向き合い、一つずつ吸収しながら頑張っています。ぜひ会場で、この新しい体験を一緒に味わっていただけたらうれしいです。

(取材・文・写真:吉野庫之介)
アニマーシブライブ「竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA - 」は、10月10日~11月15日、MoN Takanawa: The Museum of Narrativesの会場Box1000にて開催。
