アニマーシブライブ『竜とそばかすの姫』miwa、LAYRA(レイラ)に込めた“痛みを知るからこその強さ”「歌が現実と物語をつなぐ」
細田守監督のアニメーション映画『竜とそばかすの姫』から5年後を描く、アニマーシブライブ「竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA - 」が10月10日より開幕する。「アニメ」と「イマーシブ」を掛け合わせ、作品世界を現実のシアター空間で体感する没入型音楽ライブショーだ。仮想世界<U>の新歌姫・LAYRA(レイラ)と、現実世界のオリジンであるコトミを、miwa、昆 夏美、鈴木このみ、みきまりあ、ASCAの5人が演じる。本稿ではmiwaに、二つの姿に重ねた自身の“オン”と“オフ”、役として歌う難しさ、歌が現実と物語をつなぐ新たなライブの可能性を聞いた。
【写真】miwa、幻想的なドレス姿で魅せる! 美しさ際立つ撮り下ろしショット(11枚)
■“歌の力”に導かれた<U>の世界 LAYRAとコトミに重ねた二つの自分
――今回のオファーを受けたとき、最初にどんなことを感じましたか?
miwa:細田守監督の作品も、『竜とそばかすの姫』も大好きなので、その世界を舞台で表現できることを、とても光栄に感じましたし、純粋にうれしかったです。
アニマーシブライブ「竜とそばかすの姫 - PROJECT LAYRA - 」キービジュアル(C)アニマーシブライブ「竜とそばかすの姫」製作委員会
――映画の中で、特に心に残っているシーンはありますか?
miwa:やはり、ベルが歌うことで<U>の人々の心を動かし、状況を変えていく場面です。映像と歌声の両方から、歌の力のすごさが伝わってきて、とても感動しました。歌い手である私にとっても、ぐっとくるシーンでした。
――miwaさんが演じるLAYRAとコトミには、それぞれどんな第一印象を持ちましたか?
miwa:LAYRAには、アーティストとしてステージに立つ私との共通点を感じました。人前に立ち、観客に歌を届ける存在ですよね。一方のコトミは、LAYRAの姿ではないときには、一人の女の子として葛藤や不安を抱えているのだと思います。
まったく異なるように見えて、LAYRAとコトミは同じ人物です。そこに人間が持つ二面性を感じましたし、それをどのように表現するのかという点に、台本の面白さを感じました。同時に、「自分はどう演じればいいのだろう」という不安もありました。
――ステージに立っているときのmiwaさんは、LAYRAに近いのでしょうか。
miwa:人前で歌うときの私は、LAYRAと同じように“オン”の状態だと思います。ステージでMCをするときには、私も「みんな、盛り上がっていけますか?」と呼びかけますし、LAYRAも同じようにお客さんへ声を掛ける。お客さんとどう掛け合い、どう一緒に盛り上がっていくかという部分では、同じ心構えを持っているのだと思います。
――一方、コトミにはどのような部分で共感しましたか?
miwa:私も一歩ステージを降りれば、一人の人間です。日常生活で大勢の人の前に立ち、何かをするような機会はありません。スポットライトを浴びていなければ、コトミと同じ部分があると思います。
今日も歌唱パートのリハーサルをしていましたが、ステージに立つときには準備を整え、心構えをして、「よし、ステージに立つぞ」と気持ちを切り替えてからパフォーマンスをしています。
もし街中で突然、「大勢の人の前でパフォーマンスしてください」と言われても、心の準備も物理的な準備もできていません。だからこそ、LAYRAの姿ではない、生身の自分で何かを表現しなければならなくなったときのコトミの戸惑いは、非常によく分かります。

――LAYRAと向き合う中で、最初の印象から変わった部分や、新たに見えてきた魅力はありますか?
miwa:最初は、アバターとして<U>の世界で生きるLAYRAを、なかなか現実的な存在として捉えられませんでした。私は自分自身の姿でステージに立っているので、「映像の中で生きるとは、どういうことなんだろう」と、実感を持てなかったんです。
そんな中、最近、VTuberの虎金妃笑虎(こがねい・にこ)さんに楽曲を提供する機会がありました。作詞・作曲を手がけ、レコーディングにも立ち会い、いろいろなお話を伺うなど、深く関わらせていただきました。
実際にVTuberとして活動する方と制作をご一緒し、その表現に触れたことで、姿や活動する場所は違っても、アーティストとして根本にあるものは変わらないのだと実感できました。私がステージに立つときと同じような感覚で、LAYRAも人前で歌っているのだと思えるようになったんです。
アバターの先には生身の人間がいる。その実感を持てたことで、LAYRAを自分とはまったく別の存在としてではなく、より身近に捉えられるようになりました。コトミの中にもLAYRAの部分があり、LAYRAの中にもコトミの部分がある。二人は切り離された存在ではなく、表裏一体なのだと思います。私自身がその感覚を持ちながら演じることで、二つの姿のつながりを表現できたらと思っています。
