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オスカー作品『それでも夜は明ける』監督、製作を務めたブラッド・ピットに感謝

映画

『それでも夜は明ける』スティーブ・マックィーン監督インタビュー
『それでも夜は明ける』スティーブ・マックィーン監督インタビュー(c)Kaori Suzuki

 先日行われた第86回アカデミー賞で、黒人監督による作品賞受賞という歴史的快挙を成し遂げた『それでも夜は明ける』(3月7日公開)。奴隷制度をテーマにした本作でメガホンをとったスティーブ・マックィーン監督にインタビューを敢行、アカデミー賞発表直前に明かした本作に込めた思いを聞いた。

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 『それでも夜は明ける』は、1853年に出版されたアフリカ系アメリカ人ソロモン・ノーサップの回想録の映画化。生まれながらにして自由黒人であったソロモンが、突然、財産も名前も奪われ奴隷にされた約12年の月日を描く。

 マックィーン監督は、奴隷制度についての物語を考えていた矢先に、妻が見つけてきた『それでも夜は明ける』の原作「12 Years A Slave(原題)」に衝撃を受けたという。「読み始めると、ページを繰る度に、驚くべき新事実が明らかになっていったんだ。そして、本を読み終えるや、自分自身に腹が立った。『なぜ、この本のことを知らなかったのか』ってね。それから、誰も(この事実を)知らないことに気づいたんだ。それが、この本を映画化した理由さ」。

 本作には俳優のブラッド・ピットが製作に名を連ねている。大きな興収を望めないといわれる奴隷制度を扱っているがゆえに、大手映画会社が出資から手を引いたということもあり、ブラッド自身が出資者を募ったとも言われている。「ブラッドは大衆にアピールしたのさ。彼は映画プロデューサーであるだけなく、本作には俳優としても出演するしね。(ブラッドが出演することで)投資家たちは、この映画へ出資することに興味を持てたんだよ。ブラッドは、製作費を集めるためにすごい働きかけをしてくれた」と感謝の言葉を口にする。

 錚々たる豪華キャストが集結している中で、本作を含むマックィーン監督の長編映画『ハンガー』(08)、『SHAME -シェイム-』(11)3作全てに出演するのがマイケル・ファスベンダーだ。「とても尊敬している。彼は天才的な役者だよ。映画の中でもっとも難しい役をあげると、美しいものを与えてくれる。本当に素晴らしかったよ」と賛辞を贈る。マイケルは、キウェテル・イジョフォー演じるソロモンに対して、容赦ない差別と暴力をふるう狂信的な選民主義者エップス役を演じている。

 アカデミー賞発表前に行われた今回のインタビューでは、この映画から多くの部門でノミネートされたことを喜んでいたことも印象的だった。「ファンタスティック! これまで一度もノミネートされたことがない人たちが7人もいるんだから。彼らは、僕の映画でノミネートされた。僕は、そのことをとても誇りに思っているよ」。

 監督の想いが通じたのか、綿花農園で働く奴隷パッツィー役のルピタ・ニョンゴは助演女優賞を、ジョン・リドリーは脚色賞を、初ノミネートでアカデミー賞に輝いた。

 最後に、本作の公開を楽しみしている日本の映画ファンについてメッセージを寄せた。「日本の観客にも観てもらいたい。僕たちはみんな人間だ。僕たちには感情というものがある。ただ、心と目を開いて、この映画を観に来て欲しいと思う。それだけだよ」。

 思わず目を背けたくなる残酷なシーンも数多くあるが、それでも私達はそのシーンから目をそらせてはいけないと思わせる1本である。(文:鈴木沙織)

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