J・ゴードン=レヴィット、「恋愛観」と「日本」を語る
ジョセフが本作で描く主人公ジョンは、物語当初は自身の理想とする女性を探しているが、ジョセフ自身はそういうことは一切しないと明言する。「もし、ガールフレンドやボーイフレンドが、自分と会う前から、相手への理想を追い求めていたら、相手の本当の姿に感謝することが出来ず、その代わりに、自分が持っているリストと比較することしかしなくなるんだ。だから僕自身は、そういったリストを作らないように出来るだけのことをする。ただ人々と繋がるように心がけ、本当の彼らがどういう人で、彼らの何がユニークかを学んで理解するようにするよ」。
最後に、人生で一度しかない初監督作の公開を待つ今の気持ちを訊いた。「みんながどう思うのか、とても興味があるよ。観終わった後にどういう感想が聞こえてくるのか楽しみでならないんだ」と、プレゼントを待つ少年のように目を輝かせる。「観る人によって受け取り方が違ってくる映画だと思うから、意見の違う人達同士がどういう反応を持つのか、とても気になるんだ」とのこと。また、本作が日本で劇場公開されることについては「すごく嬉しいよ! 日本のことは少ししかわからないけど、映画を愛する文化が日本にあると聞いているからね」と笑みを浮かべる。「日本からたくさんの個性的な文化があふれ出ていると思うし、日本人は洋画も好きであれば、宮崎駿監督の作品のような邦画が好きな人もいる。そこには本物の“シネフィリア(Cinephilia)=映画愛”があると思うから、公開が待ち遠しいよ」と語った。(文:鈴木沙織)
『ドン・ジョン』は3月15日より公開。