NHK朝ドラ女優決定の土屋太鳳、演技の原点は小学4年生「他者を生きる魅力を感じた」

来年春のNHK朝ドラのヒロインに決まり、俄然注目を浴びている土屋太鳳。現在も同枠の『花子とアン』に主人公の妹役で登場、公開中の『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』にも出演している。女優としての階段を急速に駆けあがる土屋の主演作『人狼ゲーム ビーストサイド』が公開。「とにかく苦しかった」と語る、過酷な役柄を振り返った。
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村人チームと村人に紛れた人狼チームに別れて勝敗を決める人気の心理ゲームをモチーフに映画化。本作で土屋が扮する由佳は村人を騙して殺害していく人狼側。勝ち残るにはリアルに人を殺し、人数を減らしていかなければならないバトルロワイヤル系作品だ。
ある場所に集められた10人の高校生たちが騙し合い、死を積み重ねていく。「猟奇的でセンセーショナルだという捉え方だけで終わらせたくなかったんです。ちゃんと伝えたいものを持って役に取り組みたかった」という土屋は、役に入る際、普段からその意味や必要性を考えてきた。
だが今回は、クランクイン直前まで由佳を通じて何を伝えればいいのか分からなかった。そんな彼女の背中を押したのは、実姉とのふとしたやりとりだった。「姉が写真を撮ってくれたんです。薄暗い空の後ろのほうで太陽が透けて見える景色をバックに、横顔で上を向く私。それが、自分が狼に変わっていく瞬間のように見えて。この物語は誰が死ぬとか生き残るとか、そういうことだけではなくて、人が人ではなくなっていく過程を表現しながら自分は何者なのかを突きつけている作品なのかもしれないと感じたんです」。
順撮りだった撮影は、ほぼテストを行わないスタイルによって濃密に進められた。「ひとりひとりその場からいなくなっていって…。魂を削って“むき出し”になる必要がある現場でした。苦しみましたが、みんながしっかり気持ちをバトンで送ってくれたから、最後、本当の感情を爆発させるシーンができたんだと思います」。