クランクイン!

  • クラインイン!トレンド

ホラーの鬼才アジャ監督、漫画『コブラ』実写映画化は「キャスティング難しい」

映画

 ところで本作は、殺人容疑者であるのダニエルの頭に突然ツノが生えるというホラー要素に加え、純愛、友情、人間ドラマなど、ジャンルに囚われない多面体な描き方に挑戦している。まるで短編映画の集合体、何が出てくるかわからないサイコロのような作品。「実は製作過程で上の人間に“どういう映画を撮りたいか”を説明するのが難しかった。だからいつも、この映画は『ブラックスワン』+『ファイトクラブ』だって言っていた。もっといえば、この映画はスーパーナチュラルな寓話。だから一番近いのは、『素晴らしき哉、人生』を逆回転させたものかもしれないね」と独特の表現で作品を解説した。

 ダニエルの好演もこの作品を成功に導いている大きな要因の一つ。「彼は『ハリポタ』の呪縛から逃れられないことを理解しているので、それを払拭するために、難役に挑んでいるわけではない。役者としてのエゴがなく、自分の持っているものを100%ぶつけてくる強さを持った俳優だ」と絶賛。だが、その一方で、「この映画は、ある意味『ハリポタ』の延長にある作品かもしれない。なぜなら、魔法の力で大切な人を救うために、ダークな力を借りなければならない。とても似通ったところがあるので、『ハリポタ』ファンにも観ていただきたい」とアピールした。

 現在、寺沢武一の人気漫画『コブラ』の映画化プロジェクトに奮闘するアジャ監督。小さい頃、母国フランスで夢中になって見ていた同作の映画化は悲願ともいえる。「映画化権を取得できたことはうれしいが、製作費が膨大にかかるし、キャスティングも難しい。あのコブラをいったい誰が演じるんだ? と考えると行き詰まってしまう」と吐露。ただ、難航はしているが、企画は確実に進行中ということで、今後の動きに注目していきたい。(取材・文:坂田正樹)

 映画『ホーンズ 容疑者と告白の角』は5月9日より全国公開。

2ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

関連情報

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る