『アベンジャーズ』J・ウェドン監督、マーベル愛を胸に「全て出し切った」勇退を示唆
ところで、アメリカンコミックスは、日本の『漫画』に比べ、映画化に対してとても自由度が高く、プロデューサーや監督、脚本家たちの手にキャラクターが委ねられ、その世界観をどんどん広げていくところも魅力の一つ。とくにマーベルは、キャラクターの原作者スタン・リーがプロデューサーとして参加し、自ら映像化の一翼を担っている点も面白い。「スタンはとても熱意があって常に前向き。今回も、のびのびと自由にやらせていただいた」とリーの懐の広さを称賛。
その自由度が顕著に現れたのが、前作とは全く違う作品の奥行きの深さ。「単なる続編にしたくなかったので、さらにダークで、より重厚で、哀愁があって、時間軸もまったく違うものにした。指標にしたのは『ゴッドファーザーPART II』。あの映画は続編を超えた、1本の独立した作品だからね。ただ、わたしもマーベルとともに育ったファンの一人なので、スタンが作り上げた『真髄』だけは忘れなかったよ」と本作に込めた思いを明かした。
最後に、撮影時に起きた、とっておきのエピソードはないか? と尋ねてみると、即答で「ノー!」と返ってきた。「現場で何か面白いことが起こったら、それらは全て本編に残っているはず。だから秘蔵映像は一切ない、ぜひ劇場で観てほしい(笑)」とちゃっかり映画をPRしていた。(取材・文:坂田正樹)
映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は7月4日より全国公開。