大塚 愛「ものづくりへのスタンスが変わった」 出産を機に表現方法の幅も変化

シンガーソングライターの大塚 愛が、フジテレビ系で放送中の連続ドラマ『嫌われる勇気』の主題歌「私」を2月15日をリリースする。2014年5月に発売した「モアモア」以来、約2年9ヵ月ぶりとなる本作は“今の自分に向き合う”ことがテーマの楽曲だ。これまで数々のヒット曲を世に送り出してきた大塚だが、「ものづくりについてスタンスが変わった」という。そんな彼女に自身のシンガーソングライター、そして一人の女性としての過去、現在、未来について語ってもらった。
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今回、ドラマのプロデューサーから「(『嫌われる勇気』の主人公である)蘭子の心の中の気持ちを表現できたら」と曲作りの際に、提案があったという。劇中の蘭子は、一匹狼で他人の評価を気にせず、突き進む女性だ。「蘭子さんの、他人に対してどうかではなく、自分に重心を置いて、自分はどうしたいのかで行動するという部分をイメージしました。その中で、過去も未来もコントロールはできないけれど“今”は自分で選択して生きていくことができる。だからこそ(今が)一番重要だと思うんです」と歌詞に込めた思いを語る。
“今が一番大事――”。大塚自身もそう思っているのだろうかとストレートに問うと「そういう思いは最近芽生えた感情ですね。過去を振り返ると、昔は未来を見過ぎていたというか、幼稚な性格を早く大人にしたいとか、背伸びをしている部分はありました。理想の自分に追いつけなくて苦しいなと思ったこともありました」と振り返る。
デビュー時の大塚は、独特の発想を持ちつつ、等身大の自分を表現しているように感じられ「背伸びをしていた」という印象はなかったが「デビュー当時の曲って10代に作ったものが多く、すごく焦っていたんです。いつも何かに追われている感じで、早くどんどん曲を出していかないと、(年が経ったら)歌えなくなるって」と心情を吐露する。
そんな思いが変わった理由を「年齢が進んで、大人びる必要もなく大人になったからじゃないですかね。それと、未来に追いつけなくて苦しい思いをしたところでどうにもならないし。それでも、目標に向かっていかなければならないって大変ですよね」と自己分析する。その結果、今好きなものを、シンプルに表現することができるようになったという。