ディーン・フジオカ、「平凡な幸せを大事に」 “結婚詐欺師”演じ家族の大切さ実感
本作を通して「結婚観に影響はあったか?」と聞いてみると「自分は幸せだなと思った」としみじみ。「その幸せは、ちょっとバランスを崩したらなくなってしまうもの。この映画に出てくる人はみんな、悲しい人たち。僕は今、たたまたまラッキーなことにそちら側にいないだけで、いつそちらに行くかもわからない。だからこそ日常的な、平凡な幸せを大事にしないといけない。改めて家族の大切さを思いました」と家族への愛も再認識したようだ。
本作では主題歌も担うなど、多彩な才能を発揮。チャレンジを忘れない姿勢も彼の魅力だ。「今はIT技術の発達や交通の発達もあり、たくさんの選択肢がある時代。だからこそ自分の経験や可能性というものが、必ずしもひとつの役割だけで活かせるものでもないと思うんです。僕にとっては“これやってみない?”とお話をいただいた時は、ひとつのサイン。自分で気づかなかったことが、新しい学びの機会になることもある。マルチプルでやっていくことにはデメリットもあるかもしれないけれど、僕はそれでもポジティブな方に懸けたいと思っているんです」。
時代をしっかりと見据え、視野を広げる。柔らかな微笑みに、キラリと知性が光る。こんな結婚詐欺師がいたら、きっと誰もがだまされてしまうはず。うっとりするような陶酔感とともに、映画を楽しんでみてはいかがだろう。(取材・文・写真:成田おり枝)
『結婚』は絶賛公開中。