黒木華、「演劇が自分の居場所」 芝居に救われた過去を明かす
では、そんな彼女が芝居の世界を歩むきっかけになった出来事とは? 黒木は「中学生の時は、あまり明るい方ではなくて、栞子のように家で本を読んでいることが多かったのですが、近所の子たちで上演するミュージカルに参加したことがあって、それがすごく楽しかったんです」と述懐。この経験から、高校の演劇部に入部した彼女は、「見に来てくれた人が『面白かったよ』と言ってくれたりしたんです。それから演劇の仲間が増えて、演劇というものが、自分の居場所になったんです。それから、これが自分の続けたいものなのかなと思うようになりました」と、当時の胸の内を明かす。
その後、京都の芸術大学に進学。在学中に女優としてプロデビューしてからは、映画やドラマなど、ジャンルを問わず芝居の世界で生き続けてきた。そんな黒木にとって、まさに芝居はなくてはならないもの。そう、栞子にとっての本のように。栞子は本作の劇中で「本に救われた」と大輔に告げるが、黒木自身も芝居に救われたのだ。「お芝居がなかったら、人と話したりするのは今でも得意じゃなかったと思います」と微笑む彼女は「人と関係を作るということが、舞台ではできたんです。それは大きかったですね」とも語ってくれた。(取材・文・写真:岸豊)
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』は11月1日より全国公開。