北山宏光、映画初主演の経験は「財産」 役者業の根底にあるキスマイへの思い

Kis‐My‐Ft2の北山宏光が『トラさん~僕が猫になったワケ~』で、映画初出演にして初主演を飾った。記念すべき作品で演じるのは、家族への愛は強いが、いい加減で能天気な“ダメ夫”の寿々男。寿々男は交通事故で死んでしまい、猫の姿で家族のもとに戻ってくる。北山は今回、猫と人間の“2役”に扮しているのだ。そんな役柄をチャーミングに演じた北山は「寿々男は“かっこいい”と言われる男じゃない。“かっこいい”をそぎ落として、人間臭さが必要になる役」と分析し、「ものすごく挑戦させてもらえた作品。自分にとっての財産になる」とダメ夫役での初主演に喜びをにじませる。新たなチャレンジを通して感じた“父親願望”、そしてKis‐My‐Ft2への思いまでを語ってもらった。
【写真】北山宏光、猫とダメ夫の“2役”を熱演 『トラさん~僕が猫になったワケ~』場面写真
板羽皆による人気コミック『トラさん』を実写映画化した本作。売れない漫画家・寿々男は、妻がパートで稼いできたお金をギャンブルに使ってしまうなど、お気楽な生活を送っていたが、交通事故であっけなく死んでしまう。あの世が下した判決は、猫の姿で現世に戻り、愚かな人生を挽回せよというものだった…。
猫スーツを着用し、猫役に挑んだ北山。オファー時を振り返り「“猫を演じることになります”と言われて、びっくりしました! どういうこと? って(笑)」と笑いつつ、「原作を読ませていただいて、なるほどと。めちゃくちゃやりがいあるじゃん! と思いました」と大きな笑顔を見せる。
映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』場面写真 (C)板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会
いつもはキラキラと輝くようなステージに立っている北山だが、ダメ夫にして猫役へのトライは、「自分にとっての財産になる」と充実感たっぷり。「寿々男は“かっこいい男”ではない。“かっこいい”をそぎ落として、人間臭さが必要になる役。作品の中で寿々男になり切って立っていないと、感動する話にならない。そういった環境をもらえたことに、ものすごく感謝しました」と話し、さらに「寿々男の心境の変化をしっかりと見せないといけない。そういった意味でも大きな挑戦でした」と力強く語る。
「猫スーツを着ている場面写真や予告編を見ると、みなさん“コメディ映画でしょ?”って言うんです。それはちょっと“しめしめ”と思っていて。コメディだと思って家族で映画館に足を運ぶと、お父さんがものすごい泣きながら出てくる。そうなるといいなって」と話すように、コミカルな語り口ながら、寿々男の成長を通して家族への思いがあふれ出す“愛の物語”となった本作。北山自身も父性愛も芽生えた様子だ。