青木崇高、俳優として「歳相応の魅力が出せれば」 仕事を通じて見えてくるもの
「豪華キャストと言いながらも、ネームバリューで動かさないところがあると思います。いい意味でのフラット感がある。この人が演じているから、こういう見せ場があるはずといったことが、いい意味で裏切られる。それから日本だけじゃなく、海外の方も観る作品だと思うので、演技面ではフィジカルな表現も必要だなと思ったし、意識して取り入れました」。

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ほかにもテストなしで本番に入ったり、天候に関係なく撮影を進めたり、英語が飛び交ったりと、さまざまな刺激のあった現場を体験した青木だが、もともと「撮影現場のにおいにもどこか興奮や刺激を求めたい」タイプだそうで、本作はいい体験になったと振り返る。そしてこれからも新たなものを生み出していきたいと話す。そうした挑戦には、特別な役柄だけでなく、日常の延長も含まれている。
「僕ももうすぐ40歳になりますが、もうちょっと映画とかドラマでも、40代50代、それ以上の主人公の物語が多くなってほしいと思います。若い人のかっこいい恋愛もいいんですけど、それとは別にさまざまな人生経験をした大人たちの物語を見たいし、そうした重み、存在感を出せたらと。白髪とかも、染めずにそのままで、歳相応の魅力が出せればいいですよね。これから、僕自身も、仕事を通じて人生や生活、家族、生きがいといったものが見えてくると思うし、その解釈がまた作品に活きていく。そうした進み方をしていけたらと思います」。

40代以降の青木もとても楽しみだが、まずは『サムライマラソン』の公開だ。「個人的には健くんとのあるシーンに特別な思いがありましたし、面白かったですね」と含みをもたせた青木。どんなシーンなのかは、劇場で確かめてほしい。(取材・文・写真:望月ふみ)
映画『サムライマラソン』は2月22日より全国公開。