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最近のハリウッド・ホラーは「牙のないライオン」 残酷ホラーの名手パスカル・ロジェが唱える定義

映画

映画『ゴーストランドの惨劇』パスカル・ロジェ監督
映画『ゴーストランドの惨劇』パスカル・ロジェ監督(C) 2017 ‐ 5656 FILMS ‐INCIDENT PRODUCTIONS ‐MARS FILMS ‐LOGICAL PICTURES

 拷問皮はぎ映画『マーターズ』(2007)で世界にその名をとどろかせると、次作『トールマン』(2012)では一転してテイストの異なる社会派サスペンスに仕上げ、観客をうならせたパスカル・ロジェ監督。久しぶりの新作となった『ゴーストランドの惨劇』(2018)では、練り込まれたストーリーで新たなジャンル革新を見せつつ、ロジェ監督ならではの容赦ない残酷描写も健在。相変わらずブレない姿勢を見せている。ハリウッド・ホラーとは一線を引く、独自の美学を貫くロジェ監督に、その思いを聞いた。

【写真】美しい双子の姉妹を襲う悪夢『ゴーストランドの惨劇』フォトギャラリー

 シングルマザーと田舎に越してきた双子の姉妹。新居に越した夜、2人の暴漢が家に押し入り、母は必死の反撃の末、犯人をめった刺しにする。惨劇から15年後、活発だった姉のヴェラは事件をきっかけに引きこもり、ラヴクラフトを愛読する内気な少女だった妹のベスは、作家として成功していた。久しぶりに実家に戻ったベスに、ヴェラは衝撃の一言をつぶやく。

 前作『トールマン』から6年が経過したが、「この作品を撮った経緯かい? もちろん家賃のためだよ(笑)」といきなりジョークを飛ばすロジェ監督。実は前作の後、『THE GIRL』という作品に2年がかりで取り組んでいたが、主演女優が見つからず企画がとん挫してしまう。「とても情熱を傾けていた作品だっただけに、本当に残念だった。怒りとフラストレーションを抱えたよ。でも、僕も生活していかなければならない。だからすぐに撮影を開始できるような脚本を書かなければいけなかった。そういう中で、『ゴーストランドの惨劇』のストーリーを思いついたのは運がよかったと言えるね。現実に背中を押されたわけさ」と明かす。夏休みで家族が出かけている間に短期間で脚本を書き上げ、低予算ということもあり製作費もすぐに集まった。

映画『ゴーストランドの惨劇』場面写真(C) 2017 ‐ 5656 FILMS ‐INCIDENT PRODUCTIONS ‐MARS FILMS ‐LOGICAL PICTURES
 主人公のベスはラヴクラフトを崇拝し、内省的で空想に耽(ふけ)りがちな少女という設定。熱狂的なホラーファンでもあるロジェ監督に、10代の頃に崇拝していたアーティストを尋ねてみると、「崇拝という表現はあまり好きではないんだ。敬愛しているという表現の方がふさわしいね」と前置きしつつ、「アーティストを敬愛するというのは僕の人生にとって大きなことのひとつなんだ。映画監督になったのも、いろいろな作品、そしてアーティストを敬愛しているからこそ。僕は映画が大好きだし、情熱があって、オタクでもある。ジョン・カーペンター、ダリオ・アルジェント、デヴィッド・クローネンバーグ…彼らは僕のヒーローであり、全ての作品を観ているよ」とジャンル映画をリードしてきた巨匠たちの名を挙げた。

 すると、「でも、僕にとって一番のヒーローは誰かと聞かれると、それは(歌手の)プリンスだ。映画監督とは全然関係ないけどね(笑)」と意外な名前が登場。なんでも「インスピレーションを与え続けてくれる存在」なんだそう。プリンスといえば、性別を超えた先鋭的なパフォーマンスで異彩を放ち、音楽界で唯一無二の存在だったアーティストだ。ロジェ監督が生み出す世界の源泉は、意外なところからの影響もあるようだ。

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