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中村倫也「人見知りはやめよう」と決めた過去 “人たらし”のコミュニケーション術

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中村倫也 クランクイン!

 現在、映画、ドラマ、舞台と引っ張りだこの俳優・中村倫也。作品で共演した人々からは、先輩・後輩問わず中村の「コミュニケーション能力」を絶賛する声が多く聞かれる。映画『屍人荘の殺人』のイベントなどでも、共演した神木隆之介や浜辺美波らと和気あいあいとする姿が、現場の雰囲気の良さを感じさせる。「人との距離感を考えないぐらいニュートラルにいること」を心掛けているというという中村のコミュニケーションの極意に迫る。

【写真】取材中にも和やかな表情を見せた中村倫也 撮り下ろしカット(9枚)

■明智は「自分の中での世界で推理を楽しんでいる」

『屍人荘の殺人』より中村演じる明智恭介(C)2019「屍人荘の殺人」製作委員会
 本作で中村が演じるのは、神紅大学のミステリー愛好会に所属している、年齢不詳の自称ホームズの明智恭介。神木隆之介演じる推理下手な万年助手の葉村譲を従え、つかみどころがない青年を演じているが「明智という男を想像したとき、まず感じたのが、好きなことに熱中する無邪気さ。例えば、子どもが自分にしか見えない対向車をよけたりしながらミニカーで遊んでいたりするのってあるじゃないですか。常にそういうモードで、自分の中での世界で推理を楽しんでいるような…そんな人物像が思い浮かんだんです」と役へのアプローチ方法を述べる。

■“人たらし”のコミュニケーション術


 確かに劇中で中村が演じた明智は、童心に溢れた仕草や表情で葉村を振り回す。それでいて振り回される方も、それを楽しんでいるかのようだ。独特だが、明智と葉村の関係性は、ある“信頼”の上に成り立ったコミュニケーションの形を提示する。そこには中村の持つ“人たらし”的な魅力があるのではないだろうか。前述したように、現場での中村の立ち振る舞いを絶賛する声は多い。そのことを本人に伝えると「人との距離感を考えないぐらいニュートラルにいること」を心掛けているというのだ。

 きっかけとなったのは、これまで共演してきた先輩たちの姿。中村自身、若い頃は「すごく人見知りで、人から言われることを気にするタイプだった」というが、無理して相手に合わせているよりも、多少失礼に当たるようなことでも、正直に素直に自分の素を出しているほうが面白がってくれる先輩たちが周囲に多かった。

■「人見知りはやめよう」と決めた


 ある日突然、中村は「明日から人見知りはやめよう」とシフトチェンジした。20代前半だった。「思春期を経て、緊張しながら社会に出たとき、自分の中でいろいろなことが変わって、現場でも全然人としゃべっていなかったんです。でも『人見知りをやめよう』と決めてからは、すごく楽しくなりました。もちろん社会人なので、最低限の礼儀は意識しますが、思春期前の無邪気だった子どもの時代に戻ったような感覚になれています」。

 考えを変えたことで「楽しくなった」という現場。ちょうどそのぐらいのとき「いろいろな見え方をする役を演じられる役者になれたら」という目標があったという。その言葉通り、これまでの中村が演じてきた役柄を見ると、好青年からチンピラ、癒し系、不思議ちゃんと一筋縄ではいかないキャラクターが多い。「演じている役と俳優のパーソナルは違う」という大前提は多くの人が理解していることだが、ファンからいろいろな色で見られるというのは、それだけ役柄に憑依しているからなのだろう。

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