奥平大兼16歳、デビュー作で“母”長澤まさみからビンタ「自然と涙が出た」
■撮影中、実は「反抗期真っただ中だった」
現在、高校2年生の奥平。「中学3年くらいから最近まで」反抗期の真っただ中だった。
「わけもなく、お母さんの言っていること全部にイライラしてしまって。撮影が始まって、朝、お母さんも早く起きてご飯を作って送り出してくれるんですけど、最初は何も話さずに出掛けていました。でもこの作品で考えさせられる経験をして、途中からありがたいことなんだなと気付きました。今はもう反抗期も治りました」と話し、「お母さんとの関係も割といい感じです」と照れ笑いを見せた。
■素顔は明るい高校生 今度はキラキラ青春ものにも挑戦したい
初の撮影を終え、俳優としての思いにも変化が。スカウトで事務所に所属を決めた奥平は、そもそも役者業に興味を持っていたわけではない。しかし所属後、初めてのオーディションで、この大役を得た。「中学生の頃には、今の自分(映画デビュー)を全く想像していませんでした。ものすごいスピードでいろんなことが起きていて、正直、追い付いてないです」とはにかむ。
「クランクインする前は、何も分からないし、プレッシャーばかりで、撮影するのが怖くて怖くて仕方ありませんでした。でも実際にやっていくうちに、『あれ、楽しいな』と変化してきて、クランアップの時には、『え、もう終わっちゃったの。もっとやりたいのに』という気持ちになっていました」。
今ではすっかりこの仕事に興味を覚え、いろんな作品に出たいと胸を膨らませる。
「周平のようなつらい役をやっていても楽しかったので、ほかの役をやったらどうなっちゃうんだろうとすごく気になります。いろんな役をやりたいです。キラキラ学園ものにも興味があります。そんな作品に出ている自分を見たら、すごく恥ずかしいだろうけど…。でもやってみたいな(笑)」。
デビュー作で難役を演じきり、少年の複雑な心の内を体中で表現した奥平。周平のイメージからは、キラキラ系青春映画は想像がつかないが、取材時の本人はキラキラものも似合うだろう明るい青年だった。小学生時代には全国武道空手道交流大会「形」優勝の実績もある奥平。青春ものにアクションに人間ドラマにと、可能性は無限だ。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)
映画『MOTHER マザー』は公開中。