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レギュラー化から半年 『有吉の壁』がゴールデンでも「お祭り騒ぎ」を可能にした理由

エンタメ

『有吉の壁 ギャラクシーの壁を越えろ!2時間SP』(9月30日放送)
『有吉の壁 ギャラクシーの壁を越えろ!2時間SP』(9月30日放送) (C)NTV

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佐藤栞里

 2015年4月から深夜帯を中心に不定期特番として人気を博してきた『有吉の壁』(日本テレビ系)。深夜だからこそできるお祭りに見えた同番組が、今年4月から水曜夜7時のゴールデンのレギュラー番組になり半年が経つ。深夜番組がゴールデンでレギュラー化されることにより、番組の持つ雰囲気が変わってしまうことが多い。それだけに番組ファンにとっては期待半分、不安半分といったところだったろう。しかし、レギュラー化してもスタンスは変わらず、ますます珍妙な企画を連発している。なぜゴールデンでも「変わらないこと」が可能なのか。同番組の横澤俊之プロデューサー(以下、横澤P)に話を聞いた。

【写真】30日放送『有吉の壁 ギャラクシーの壁を越えろ!2時間SP』フォトギャラリー

 「正直、僕たちは『有吉の壁』について『ゴールデンでレギュラー化させてください』と1回も言ったことがないんです。僕は、有吉さんと総合演出の橋本和明と一緒に『有吉ゼミ』をやらせていただいているんですが、『有吉の壁』についてはもともと各所から『レギュラー向きじゃない』とも言われていましたし、有吉さんも含めて、恒例特番としてお笑いがやれればと思っていたんです。

 でも、昨年10月に平日夜9時から特番をやったとき、親子ですごく熱狂してくれて…。その反響も受けたのか、『こういう番組こそ若い子がテレビを観なくなっている今の時代に必要だろう』ということで、編成から『水曜7時でどうだ?』という話をいただいたんです」。

■ゴールデンでも絶対に守りたかったこと

 とはいえ、この打診に最初は「バカなの?と思った」と笑う横澤P。そもそも『有吉の壁』は、芸人たちが必死で汗水たらし、こん身のバカ騒ぎでぶつかる「お祭り」のような番組だ。にもかかわらず、レギュラー化したら肝心のお祭り感が消えるんじゃないかという不安もあった。

 「その上で、『レギュラーでやるとしても、番組を変えるつもりは一切ない。もともとファンの方に愛してもらっている番組なんだから、ダメなら中身を変えずに打ち切りにしてくれ』と言い、その思いを有吉さんに伝えたら、有吉さんも賛同してくださいました。『クイズやったり、おいしいモノを食べに行ったりするくらいなら、この番組をやめよう。怒られたら、また深夜に戻ろう』と僕らと同じように思っていただいたんです」と明かす横澤P。

 絶対に守ろうとしたのは「芸人が主役」であることと、「お笑い」ということ。加えて、若者のテレビ離れを止めるため、若い世代が学校で話題にするような番組を作らなければいけないという使命感を背負って、レギュラー化に踏み切った。

 毎週1時間のバラエティ番組を作るのは、予算が潤沢になく、手間もなかなかかけられない今の時代には大変なことだ。「前半だけ面白い」「最初と最後は面白い」という番組もある中で、頭からお尻まで全部面白い番組は、実は『有吉の壁』だけではないかと個人的に思っている。そう告げると横澤Pはこんな内情を語ってくれた。

 「実際、この番組はなかなか過酷で、有吉さんも含めて朝7時くらいに入り、終わるのは夜みたいなスケジュールの日もあります。大変ですが、そこは芸人さんの心意気と有吉さんのおかげで成立しています。とはいえ、普通、お笑い番組には緩急があって、ずっと爆笑ネタなわけではないんです。例えば、とにかく明るい安村さんやワタリ119さん、パンサー尾形さんなど、バツをもらってしまうことが多い人たちは本来、『バツ=つまらない』の判定なので、普通は放送しづらいネタになるはずなのですが、そこで有吉さんが『なんかあるだろ、もう1言』などと、スベったネタを料理してくれることで、撮ったものをフル活用できるんです。それでも編集の壁に引っかかってしまうネタももちろんありますけど(苦笑)」。

■“コロナ禍でのスタート”という逆境を乗り越えて

 4月からのレギュラー化は、緊急事態宣言発令でロケができないなど波乱の幕開けとなったが、「コロナ禍で在宅率が上がっているタイミングでレギュラーがスタートして、普段水曜夜7時にテレビの前にいない方にも番組を知っていただくことができましたし、新しいファンが増えたことを実感します」と前向きにとらえている横澤P。

 「実は芸人さんたちも最初はレギュラー化を喜ぶ一方で、『月1回とかで休み入れてもらってもいいですよね?』と弱気でした(笑)。それが次第に『毎週合宿だと思って一緒に頑張りましょう』と変化していきました。番組への反響が大きくなったからこそ、芸人さんたちのモチベーションも変わり、一致団結できるようになったんだと思います」。

 コロナ禍はリモートでのテレビ出演が増えた芸人だが、そのおかげで「これまでは新宿ルミネに行って、ライブ終わりに打ち合わせなどしていたのが、リモートによって芸人さんやマネージャーさんと逆にコミュニケーションをとりやすくなりました」とも話す。

 テーマパークやスーパー銭湯などの施設を利用するのも大きな特徴で、現在は営業状態を鑑みて、オープン前に収録を行っている。会場のセレクトについては、番組から打診するのが基本だが、最近は施設側からいただける話も出てきているという。コロナ禍で来場者数が減少する施設を利用するのは、ウィンウィンの関係ではないだろうか。

 「広報さんなどに一人くらい番組のファンの方がいてくださって、喜んでいただけることもあります。ただ、それが施設のPRになっているかというと、甚だ怪しいんですが(笑)。それでも、スーパー銭湯『スパジアムジャポン』さんなどは、(放送直後)サイトがダウン寸前になるくらいアクセスが殺到したようです。僕たちも協力していただく以上、『この施設、粋だな』『こんなこと、よく許したな。いい会社だな』と視聴者の方が思ってくれることを願っています」。

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