新進女優・山田杏奈が大切にしている言葉「女優は汚いところを見せるもの」
■来年20歳に「周りの人を大切にしながら、楽しめる人間でありたい」
10歳のときに開催されたオーディションで芸能界入りした山田。15歳のとき「目力がある」と言われたことで、自身の持ち味を意識したという。そこから、いろいろな人から少しずつ山田の“個性”を伝えてもらえるようになった。そのことで「自分にしかできないことをしっかり考えて武器にしていきたい」と思えるようになった。
でも決して満足はしていない。「まだまだ課題だらけ。自分がやった仕事を『よくできた』と思ったら仕事を辞めちゃうと思うんです」ときっぱり。続けて「雰囲気とかで使っていただけている部分もあると思います。そこにしっかりと中味も伴っていかなければダメ」と自身に厳しい視線を向ける。
来年1月、20歳を迎えるが「自分のやりたいことを追いかけ、言いわけをしないでやっている人はすてきだなと思う」と理想像を語る。高校を卒業し、現在は芸能の仕事一本で勝負しているが、「しっかり周りの人を大切にしながら、楽しめる人間でありたい」と抱負を述べる。
「1年前に撮影していたときは東京オリンピックも開催される予定で、映画に映し出されている東京は、いまとまったく違うものになっていますが、自粛明け最初に初号の試写を観て、すごくパワーをもらえました」と鑑賞後の感想を述べた山田。若さゆえの脆(もろ)さ、儚(はかな)さが、いまの停滞した世の中を前に推し進めるパワーとなるのかもしれない。(取材・文:磯部正和 写真:ヨシダヤスシ)
映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』は11月6日より新宿ピカデリー、ホワイト シネクイントほか全国公開。