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杉野遥亮、デビュー5年目の決意 初心に戻り「ゼロからスタートしたい」

映画

杉野遥亮
杉野遥亮 クランクイン!

 映画『水上のフライト』で中条あやみ演じる失意のヒロインを陰で支えるエンジニアを好演する俳優の杉野遥亮。2015年、第12回FINEBOYS専属モデルオーディション・グランプリを機に芸能界入りして今年で5年目、俳優としてもヒットドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)、『ハケンの品格』(日本テレビ系/第2シリーズ)で存在感を示し、『羊とオオカミの恋と殺人』では映画初主演を果たすなど着実にキャリアを積み重ねている。次世代を担う俳優として順風満帆な杉野に、本作に込めた思いとともに、コロナ禍で見えてきた“心”の現在地を聞いた。

【写真】美しい横顔の杉野遥亮 撮り下ろしカット集

■“ありのまま”を受け入れることの大切さを教わった


 本作は、実在するパラカヌー選手の半生をヒントに、映画『超高速!参勤交代』などの脚本家・土橋章宏が作り上げたオリジナルストーリー。事故で歩けなくなった走り高跳びの有望選手・藤堂遥(中条)がパラカヌーと出会い、さまざまな人々に支えられながら、新たな夢に向かって羽ばたく姿を活写する。メガホンを取るのは、『キセキ ーあの日のソビトー』の兼重淳監督。杉野のほかに、遥を受け入れるカヌー教室のコーチ・宮本浩役を小澤征悦、遥の母・郁子役を大塚寧々が務める。

 ブリッジスクール(適応指導教室)の子どもたちが集うカヌー教室が舞台の本作。杉野が演じるエンジニアの加賀颯太は同スクールのOBで、遥の折れそうな心に寄り添いながら、彼女の車椅子やカヌーの制作に勤しむ寡黙な青年役だ。「両親のいない複雑な家庭で育ったというバックボーンを兼重監督と事前に話し合い、つらい思いをしているからこそ遥に言えることがある、ということをしっかり頭に入れて撮影に臨みました。現場に入ったら、あとは物語の中で沸き起こる気持ちに沿って演じるという感じでしたね」と述懐。

映画『水上のフライト』場面写真(C)2020 映画「水上のフライト」製作委員会
 中条演じる遥とは、友達以上、恋人未満。ちょっぴりいいムードになりながらも、なかなか距離が縮まらない。これに対して杉野は、「お姫様抱っこをするシーンがカットされたので、僕自身も“あれ? なんで?”と思いましたが(笑)、今はそこにこだわらないというか、遥と颯太がカヌー選手とエンジニアとして二人三脚でパラリンピックを目指す唯一無二の“パートナー”であることの方が大切かなと。最終的に恋人同士になるかもしれないけれど、重要なのは宮本さん、お母さんを含め、遥を支える3人が本質の部分で繋がっていることだと思うんです。それが苦難を乗り越える遥の最大の強みですから」と分析してみせた。

 また今回、撮影を通してパラリンピック競技について触れる機会が多かったと思うが、「僕は、特別な意識を持って見ることはなかった」という杉野。「パラスポーツだからとか、パラリンピックだからとか、そういうすみ分けは全く関係なく、同じ人間として、そこで戦っている選手たちが喜んだり、悔しがったり、輝いたりする姿に僕たちは感動するのであって、そこに遜色などはないと思いました。遥は自分の理想から外れて苦しみましたが、自分を受け入れることによって前を向くことができた。“ありのまま”の自分を受け入れることの大切さを改めて教えられた気がします」としみじみ語った。

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