AKB48・柏木由紀、30歳になっても「アイドルをやり続ける」決意と覚悟
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■アイドルファンだったからこそ身についた批判への免疫力
――「何を言われるにしても慣れている」ということですが、そう考えられるようになったのはいつからですか?
柏木:元々アイドルが好きで、ファン側でファン同士の会話を見ていたからですかね。どんな人気グループや人気メンバーにでも、一定数批判や悪口を言う人はいるもんだと知っていました。AKB48に入って、言われる立場になってもその免疫があったので、「私も言われるようになったんだ」という感じで、もちろん「ひどいな」と思うことありましたが、あまりへこんだりすることはなかったです。
批判する人たちはもし私がアイドルを辞めても喜ぶわけではなく、私の話をしなくなるだけだと思っているので、マイナスの意見は取り込まないようにしています。落ちこむよりも応援してくださるファンの方を信じて、恩返しのために気持ちを使いたいと思います。
――14年強のキャリアを振り返ってみて、自分にとってのターニングポイントは?
柏木:肩の荷が降りたのは、2017年に「AKB48選抜総選挙」の立候補を辞退してからでした。頑張り過ぎていた気持ちが少し楽になって、「本当にやりたいことや楽しいことをやっていこう」と切り替えられたから今まで続けられたのかもしれません。
あとは昨年からはじめたYouTubeチャンネル(2020年2月開設「ゆきりんワールド」)で、素の私というかパーソナル部分を発信できるようになってから、「新しくファンになった」という方からたくさんコメントをいただくようになって、風向きが変わった気がします。今はこうしたインタビューでも、素直な思いを真剣にお話すればちゃんと伝わるんだと自信を持てるようになりました。
■ずっと“アイドル”という括りにこだわっていきたい
――もはや、アイドル界では名実ともに“ベテラン”の域にさしかかっている柏木さんの「理想のアイドル像」を教えてください。
柏木:最初は「有名になりたい」「ファンを増やしたい」と頑張っていたので、たくさんの方に応援してもらうのが“アイドル”という気持ちがありました。でも、長くやってきからこそ、応援してくださる方に「きちんと何かを返したい」と思うようになってきて。今は、私のことを支えてほしいといった気持ちではなく、ファンのみなさんにできるだけ楽しいことやうれしいことを提供したいという気持ちです。
私もアイドルファンをやっていて、その時代を今でも宝物のように思っているんです。だから私を応援してくださっている期間を誇りに思ってもらえるような活動をしたいですし、ブレずにアイドル活動し続けることで、私も応援してくださった方々を肯定したい。ファンのみなさんが誰かに「何で柏木由紀が好きなの?」と聞かれたときに、その理由をたくさん話せるようにするのが今の私の目標です。
――最後に、AKB48の卒業時期や今後のキャリアについてどう考えていますか?
柏木:ここまでやってきたからにはAKB48を嫌になって辞めようとは思わないし、むしろ楽しいことやグループで達成したい目標もあるので、今は卒業を考えていません。卒業を考えるとしたら、個人でやりたいこととグループのスケジュールが調整できなくなったとき。あとは、結婚や出産でライフステージが変化するとか、それぐらいしか思い浮かびません(笑)。
個人としては、ずっとアイドルという括(くく)りにこだわっていきたいです。ステージに立つのが好きで歌も続けたいし、演技もバラエティもグラビアもいろんなお仕事が好きなんです。ひとつに決めたくないからこそ、すべてに一生懸命になれるアイドルという肩書きが自分に一番合っているなと。結婚しても出産しても、そのスタンスを貫くのもかっこいいと思うので、誰かに求めてもらえる限りはアイドルを続けていきたいですね。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)
柏木由紀のソロシングル「CAN YOU WALK WITH ME??」は、3月3日発売。