「実は子どもが大好き」広瀬すず、“母性”が溢れる理由
2013年の女優デビュー以来、作品ごとに役柄の幅を広げている広瀬すず。映画『いのちの停車場』では、看護師として患者と真摯(しんし)に向き合う中、母性溢れる一面も垣間見せた。「私のイメージにはないと思うんですけど…」と照れながら話す広瀬の新たな表現に迫る。
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■吉永小百合に「役を借りて思い切り甘えてみよう」
広瀬が演じた星野麻世は、吉永小百合ふんする在宅医師・白石咲和子をサポートする訪問看護師。最初咲和子の考え方に戸惑うこともあったが、徐々に信頼し大切なパートナーとなる役だ。共演シーンも多く、2人の雰囲気が作品に大きな影響を与えることは間違いない。
とは言うものの、相手は日本を代表する俳優。広瀬自身も「普通に考えたら、そんなになれなれしく距離は詰められないですよね」と苦笑いを浮かべるが、「でも変な遠慮があったら、2人の関係性に説得力がなくなってしまうので、本当に申し訳ないと思いつつも、麻世という役を借りて思いっきり甘えてみようと頑張りました」と撮影を振り返る。
そんな広瀬のチャレンジに、吉永自身も瞬時に反応してくれたという。「作品を作る環境をものすごく丁寧に考えられていて、撮影以外のところでも2人の関係性を作るための時間をたくさんかけてくださるんです」。こうした吉永の懐の深さで、より広瀬は楽しくお芝居ができたようだ。
さらに吉永を中心に現場が一体化していく存在感に魅了されたという広瀬。「現場にいるすべての方が、吉永さんの作品に参加できる喜びに満ち溢れていて、そういう光景を見ていると、圧倒的すぎて感動してしまいました。でもだからと言って、威圧感があるわけではなく。私が言うのも失礼ですが、とてもかわいらしい方で、誰からも愛されている。そんなすごい方の現場に毎日お邪魔してすみませんって思っていました(笑)」。
■母性溢れる演技に「実は子どもが大好きなんです」
吉永という大きな存在へ向き合うチャレンジのほか、もう1つ本作の広瀬に感じたのが母性だ。麻世は他界してしまった姉の子を育てているという設定。子どもと一緒のシーンも多い。以前ヒロインを務めたNHK連続テレビ小説『なつぞら』でも母親役を演じているが、本作で子どもと接する広瀬の表情は非常に新鮮だった。
広瀬は「たぶん私に“子ども好き”というイメージはないと思うんですけど、実は子どもは大好きで、小さいころは保育園の先生になりたいと思っていたぐらいなんです」と打ち明ける。メガホンを取った成島出監督からも「子どもとのシーンで、お芝居に関して演出的に言われた記憶がないんです。割と自分が思うがままに向き合えた気がします」とナチュラルに演じられた。
広瀬自身はそこまで“母性”について自覚はなかったと言うが「作品を見たマネージャーさんに『今まで見たことがないすずだった』と言われたんです」と思い当たる節もあるようだ。
以前、ある雑誌のインタビューで「将来はお母さんになりたい」と語っていた広瀬。「漠然とした夢ですが、子どもが欲しいから家庭を持ちたいという思いはありますね」と語った。