高岡早紀、“魔性”イメージにジレンマの過去も「ありがたい言葉として、面白がれるように」
◆“魔性”イメージにジレンマ。「自分では色っぽいなんて思わない」
高岡が芸能界入りを果たして、来年で35周年を迎える。彼女が年齢を超越した美しさを持っているからこそ、“永遠の28歳”リカという役柄にも厚みが生まれている。美の秘訣というテーマについて、高岡は10代、20代と今では、考え方に変化が起きていると話す。「10代や20代の頃は、美の秘訣なんて考えてもいませんでした。ただその時代を楽しんで、言ってみればピュアというだけで、輝いているような時期」と回顧し、「だんだん年齢を重ねていけば、もちろん若い頃の美しさはなくなっていく。すると、“今後どうしていったら、ステキな女性でいられるのかな”と考えるようになりますよね」と40代の思いを吐露。
「顔立ちがきれい、肌がきれいとか、そういうことではなく、やっぱり内面から出てくる美しさが一番大事だなと思っています。そのためには、楽しいと思える人生、充実した人生を送ること。それしかない」と内面に重きを置いている高岡だが、輝く秘訣は「大好きなものに囲まれること」だという。「子ども、家族、周囲の人はもちろん、家のインテリア、食べるものなど、自分が“好きだな”と思えるものを周りに置くこと。それによって、人生の楽しさは倍増していくと思います」。
“魔性の女”とも形容されてきた。“色気のある女性”といえば、真っ先に思い浮かべる女性の一人でもあるが、高岡は「色気を出そうと思っているわけでもないですしね。自分では“色っぽいなあ”と思わないし」と笑い、「以前は、“魔性”という言葉自体、あまりいい形容詞として使われていない時代があったと思うんです。だからこそ“魔性”と言われることはすごくイヤでした」とジレンマがあったことを告白。「でもだんだん、ありがたい言葉として受け取った方がいいのかなと思うように変わってきた」とふわりと微笑む。
5月に発売された初のエッセイ本『魔性ですか?』についても「魔性と言われている私が、『魔性ですか?』というタイトルのエッセイを出すのは、ちょっと面白いかなって」といたずらっぽく話し、「どんな瞬間も、“自分が楽しめるか、楽しめないか”という判断をしています」とモットーは“楽しむこと”。おおらかに、軽やかに今を生きる高岡早紀。その笑顔はため息が出るほど美しかった。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
映画『リカ ~自称28歳の純愛モンスター~』は6月18日より全国公開。