14歳の女優・豊嶋花、個性的な“声”を強みにしたい「覚えてもらえるポイントに」
■5歳の時の映画デビューの記憶は鮮明
――1歳の頃から芸能活動をされている豊嶋さんですが、お芝居の初仕事は映画『外事警察 その男に騙されるな』(2012)ですね。
豊嶋:そのときのことはよく覚えてます。
――5歳でしたよね。
豊嶋:そこから後の記憶は途切れ途切れですけど、『外事警察』は韓国での撮影で、初海外でしたし、最初のお芝居だったのですごく鮮明です。失語症の琴美ちゃんという役だったのですが、母が「琴美ちゃんはね、こんなことがあって、今こうなっちゃってるのよ」と分かりやすくスケッチブックに描いてくれて。絵本を読んでいるような感覚だったんだと思います。子どもの頃から母が『シンデレラ』とか『白雪姫』とか、童話を読み聞かせしてくれていました。それがすごく感情がこもっていたので、最初の頃は、そのまねっこだったのかなと思います。
――小さな頃は、お稽古事の感覚だったと聞きましたが、意識は変わってきましたか?
豊嶋:お芝居に対して、仕事っていう感覚はずっとなくて、習い事のような感じだったんですけど、中学校に入ってからは意識が大きく変わりました。事務所も移籍して、中学生になってからは、現場にも母がついて来なくなりましたし、マネージャーさんとのやりとりも自分でするようになって。小学生の頃から少しずつ意識は変化していたんですけど、そうやって状況が変わったことで、「仕事なんだ」という自覚が生まれたんだと思います。
――これからも楽しみにしています。
豊嶋:ありがとうございます。前より責任感も増しましたが、逆に以前は演技という意識でやっていたものが、自然体でできるようになってきている気がします。そのナチュラルさは強みにしながら、自分とは全然違う役もすごくやりたいです。今すぐにでも。殺人鬼の役とかすごくやりたいです(笑)。(取材・文:望月ふみ 写真:松林満美)
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