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松村沙友理、“結婚”へのイメージに変化 「形にこだわる必要はないのかな」

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松村沙友理
松村沙友理 クランクイン! 写真:高野広美

 2011年に乃木坂46として活動をはじめ、“さゆりんご”の愛称でアイドルとして人気を集めた松村沙友理。7月に同グループを卒業して新たなスタートを切った彼女が、田中みな実主演の映画『ずっと独身でいるつもり?』で、パパ活女子として生計をたてつつも若さを失うことに怯える美穂役で女優として新境地を見せている。幸せや結婚とは何なのか――女性たちのリアルな姿をコミカルにポップに毒々しく、そして優しい視点によって映し出す本作。「芝居をやりたいという気持ちが芽生えた」と明かす松村に、本作で苦労したことや、 自身が考える“結婚”や“幸せ”について、共に女優としてまい進する白石麻衣や西野七瀬ら乃木坂46同期メンバーとの今の関係性を聞いた。

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●普段とは違う役へのアプローチで得た気付き

――アイドル“さゆりんご”からは想像もつかない体当たりの演技が素晴らしかったです。役作りは大変だったのでは?

松村:私は最初、美穂の表面しか見られていなかったのですが、ふくだももこ監督から「パパ活を目立たせるのではなく、美穂の人生を生きてほしい」と言われて。本読みの時に全く答えを見つけられず焦っていたら、田中みな実“先生”が美穂のセリフをいろんなパターンで演じて相談にのってくれて、腑に落ちたんです。みな実さんは、私にとってスーパーヒーローでしたね。

――美穂を演じる上で具体的に取り組まれたことはありますか?

松村:まずは台本に書かれていない美穂の生活を考えました。20歳から六本木で遊ぶようになり、普通のOLとしても働けたのに、パパ活女子という選択をした美穂の背景を妄想しましたね。私はこれまで役作りで誰かを参考にすることはしていなかったのですが、今回は実際にパパ活をされている方たちの SNS を見たりして、役についてすごく考えて。なので、初めて台本を読んだ時と撮影に入った時は美穂が180度違う人物に見えていました。


――普段とは違う役へのアプローチで気付きはありましたか?

松村:気付きはすごくありました。今まではアイドルという立場もあり、監督やスタッフさんにどこまで聞いていいのか分からなかったのですが、今回は自分が必死すぎて遠慮している場合じゃなくて。ふくだ監督も私の必死さをくみ取ってすごく真摯(しんし)に向き合ってくれ、たくさんお話をしてくれました。美穂という役を作り上げるためにスタッフのみなさんと一つになることができて、チームで役を作った感覚を味わえたのは大きかったです。

●全てを投げ出してみたらそれが正解だった

――普段とは違う低い声や、美穂が六本木を下着姿で走り泣くシーンも印象的でしたが、苦労されましたか?

松村:声の出し方はすごく苦戦して。撮影時は乃木坂46として活動中だったので、アイドルの時はかわいく、映画の日はそうじゃないという切り替えが大変でした。六本木のシーンは10回以上撮影したのですが、どう演じればいいのか、途中で分からなくなって。正直、自分の中では明確にこれだということはつかめないまま、全てを投げ出してみたらそれが正解だったという感じです。


――本作を経験し、女優として何かしら手応えを得たのでは? 変化したことはありますか?

松村:「演技できるぞ」という気持ちは全然持てなくて、まだ修行中という感じですが、お芝居をやりたいという気持ちは芽生えました。お芝居の難しさを楽しいと感じたし、悔しい思いをたくさんしたからこそ、もっとやりたいとも思えましたね。もし10年後にまたこの作品を撮るとなったら、市川実和子さんのような雰囲気を出せる女優になっていたいです。

私は人生の目標はずっと意欲的でいることで。自分で目標を持っていないと駄目になっていきそうな気がするんです。なので今、10年後にこういう女優になりたいと思えている自分はすごく魅力的だと感じるし、いい人生を歩んで来ているという実感があります。

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