大原櫻子、頭の固い大人にはなりたくない――遊び心を大切に歩む芝居の道
◆いつまでも遊び心を忘れずにいたい
――2013年の映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』でのデビューから間もなく10年を迎えます。
大原:早かったですね~。あっという間におばあちゃんになっちゃいそう(笑)。
――この10年で、ターニングポイントになった出会いはありますか?
大原:そうですね…。お芝居をする上では、(演出家の)小川絵梨子さんとの出会いです(編集部注:大原は、2018年上演のミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』で小川の演出を受けた)。「芝居するってさ、恥ずかしいよね」「殻を破るってすごく恥ずかしいことだと思うんだよ。でも、そこを破った時に初めて役ってつかめるよね」ってお話をされた時に、“あー、なんと役者さんを理解してくださっているんだろう”って思ったし、作品と役者を愛してくださるのが演出家なんだって改めて感じて…。あの出会いは大きかったです。
――以前のインタビューで、「なにもしていない芝居で存在感を出せる俳優になること」を目指しているというお話をされていたのが印象的でした。その目標には近づけていそうでしょうか?
大原:いや~、全然実感ないです。その目標は古田新太さんなんですけど、見るたびに“なんなんだろう、あの人”って(笑)。(自分の中で演技を)つかめたって思っても、古田さんの芝居を見るたびに“全然できてない、私…”ってなるんです。「なんでそんな、自然と呼吸できるんですか?」って感じで、本当にすごいんですよね…。
――1月10日の誕生日で26歳を迎えられます。20代後半の理想はありますか?
大原:ピュアでいたい~(笑)。私、「どんなタイプの男性が好きですか?」と聞かれると、「少年みたいな心を持った人が好きです」って答えるんですけど、男性でも女性でも大人になって、頭固いとか、面倒くさい考えの人間にはなりたくはなくて。子ども心は忘れたくないです。じゃないとお芝居ってできない気がするんです。
お芝居って“Play”って書くように、遊び心って大切。“この役どういう風に演じようかな?”ってなった時に、こういう風にアプローチしようって考えることってある意味遊びだと思うんです。それって遊び心というか、子どもの心を持っていないとできないなって。いつまでもそういう心は忘れないでいたいなって思います。
――そんな中、迎える『ミネオラ・ツインズ』ですが、大原さんにとっても大切な作品になりそうですね。
大原:最初から最後までホルモンが興奮している状態で演じていますから!(笑) 全部が見どころだと思うんですよね。どういうお芝居でもそうですけど、1秒1秒に流れている空気だったり間だったり、全部が意味のあるものになっているので、全身全霊で感じてほしいなって思います!(取材・文:編集部 写真:高野広美)
『ミネオラ・ツインズ ~六場、四つの夢、(最低)六つのウィッグからなるコメディ~』は、2022年1月7日~31日東京・スパイラルホールにて上演。