『ドライブ・マイ・カー』キネ旬5冠 濱口竜介監督、米アカデミー躍進に期待も「これは成り行き」
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「2021年第95回キネマ旬報ベスト・テン発表&表彰式」が2日、都内で実施され、濱口竜介監督が手がけた『ドライブ・マイ・カー』が日本映画作品賞(ベスト・テン第1位)、日本映画監督賞、日本映画脚本賞、読者選出日本映画監督賞、助演女優賞(三浦透子)を受賞。濱口監督は注目を集める米アカデミー賞について言及した。
【写真】尾野真千子、役所広司、三浦透子、鈴木亮平らが登壇「キネ旬ベスト・テン表彰式」
『ドライブ・マイ・カー』での好演で助演女優賞に選ばれた三浦は「今まで演じさせて頂いた役の中でも、自分らしいといいますか、自分が今まで考えてきたこと、大事にしてきたことを自然と共有できる役だった。自然に演じられる役だった」と述懐。寡黙なドライバーを演じたが、オファーを受けた当時は運転免許を持っておらず、この役のために取得したと明かして「オファーされた濱口監督がすごいなと思います」と讃えた。
米アカデミー賞での躍進が期待される同作。濱口監督は「これは成り行き。もし、そういうことがあったらとてもありがたいこと」と言い、「賞によって作品が変わるわけではない。自分たちが何ができて、何ができなかったのか、自分たちの心にとどめておくことが一番大事。その上で、もしそういうすばらしいことがあれば、それはご褒美みたいなものだと思います」と話した。
また、『孤狼の血 LEVEL2』『燃えよ剣』『土竜の唄 FINAL』などの演技を評価されて助演男優賞を受賞した鈴木亮平は、キネマ旬報の愛読者だったと明かして「キネマ旬報さんの賞を頂けるのは、自分にとってすごく特別なこと。やっと、俳優という肩書に自信を持ち、『映画に出ていいんだぞ』という許可をもらえた気持ち」とにこやかに語った。
表彰式には原一男監督、 河合優実、和田庵、尾野真千子、役所広司、大江崇允、ゲストで西川美和監督らも出席。また立川志らく、佐藤忠男が映像出演。まん延防止等重点措置の決定に伴い、無観客で開催された。
■キネマ旬報 ベスト・テン第1位一覧
・日本映画作品賞(ベスト・テン第1位):『ドライブ・マイ・カー』
・外国映画作品賞(ベスト・テン第1位):『ノマドランド』
・文化映画作品賞(ベスト・テン第1位):『水俣曼荼羅』
■キネマ旬報 個人賞一覧
・日本映画監督賞:濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』により)
・日本映画脚本賞:濱口竜介、大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』により)
・読者選出日本映画監督賞:濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』により)
・外国映画監督賞:クロエ・ジャオ(『ノマドランド』『エナーナルズ』により)
・主演男優賞:役所広司(『すばらしき世界』により)
・主演女優賞:尾野真千子(『茜色に焼かれる』『ヤクザと家族 The Family』により)
・助演女優賞:三浦透子(『ドライブ・マイ・カー』『スパゲッティコード・ラブ』により)
・助演男優賞:鈴木亮平(『孤狼の血 LEVEL2』『燃えよ剣』『土竜の唄 FINAL』により)
・新人女優賞:河合優実(『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』『偽りのないhappy end』により)
・新人男優賞:和田庵(『茜色に焼かれる』により)
・読者賞:立川志らく(連載『立川志らくのシネマ徒然草』により)
・特別賞:佐藤忠男(70年以上の評論活動を通じた日本の映画文化発展への功績により)