北陸最凶の心霊スポット「坪野鉱泉」に行ってみた 真冬の佇まいはリアル『シャイニング』
現在ホテルの内部は立ち入り禁止となっているが、本作の撮影隊は、各所の許可どりに奔走し、内部での撮影が実現している。我々取材班は今回内部に侵入することはできなかったが、撮影時の写真を入手した。
坪野鉱泉入口 (C)2022「牛首村」製作委員会
建物内も無数の落書きが描かれており、不気味な笑顔から真っ赤な血が流れているようにも見えるイラストは一際おどろおどろしく、錆びついた階段、穴の空いたガラス窓、はがれ落ちたレンガやボロボロに破れた床や天井、扉の向こうに見える吸い込まれそうな暗闇など、突然時が止まってしまったかのような異空間が広がっている。
おどろおどろしい落書き (C)2022「牛首村」製作委員会
劇中では真っ暗なホテルの中を探索するアキナが「今までで一番怖いかも」と恐怖を口にするが、「恐怖の村」シリーズ3作品すべてに出演しているアキナ役の大谷凜香自身も「今回の坪野鉱泉が一番怖かった」と証言している。
完全な廃墟と化している (C)2022「牛首村」製作委員会
撮影時にはミツキ役の莉子と共に、自撮りをしながら2人きりで夜のホテルの階段を上っていくシーンにも挑んだ大谷。階段下にいたスタッフによると、カメラが回る前から彼女たちの「怖いー!」という絶叫が聞こえてきたそうで、恐怖と戦いながらの撮影となった。莉子は「壁の落書きが動いているように見えた」とも話しており、どうやら実際に不可解な出来事が巻き起こっていた様子。
剥がれた天井 (C)2022「牛首村」製作委員会
撮影に立ち合い、霊感があることを自覚している宣伝スタッフに話を聞いた。Hさんは坪野鉱泉を目にしただけで、嫌な感じ、寒気がしたという。Koki,をはじめキャスト陣も同じように「怖い」と話していたそう。「中に入るのは気が引けるな」と感じていたHさんは、「階段を上っていくごとにひんやりとした空気が増していった」と当時の状況を振り返っている。ちなみに撮影は真夏に行われたことを付け加えておく。
映画は真夏に撮影された (C)2022「牛首村」製作委員会
また撮影前にはホラー映画には必須ともいえるお祓いを行ったが、お祓い中に照明が消えるトラブルがあったとか。ドローンを飛ばそうとしても、まったく飛ばない…という機材トラブルも。清水監督は、編集作業中にスマホの音声ガイドが勝手に起動して「私にはわかりません」という声が作業部屋に響き渡った他、音響スタッフのパソコンが故障したというエピソードもある。
ちなみに筆者自身、坪野鉱泉の外観を動画でも撮影してみたが、停止ボタンがまったく効かなくなるという現象があった。さらにレンタカーを借りていた際、ちょうど坪野鉱泉に到着したあたりで「その車を交換させてほしい」という連絡が入った…。手続き上の問題だったようだが、やはり心霊スポットでの撮影には怪異がつきまとうものなのかもしれない。