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<第45回日本アカデミー賞>『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督が最優秀監督賞

映画

映画『ドライブ・マイ・カー』より
映画『ドライブ・マイ・カー』より(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

 「第45回日本アカデミー賞授賞式」が11日、都内で開催され、『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督が最優秀監督賞を受賞した。濱口監督は11年前のこの日に起きた東日本大震災に思いを馳せ、被害にあっても懸命に力強く生きる人たちの姿が、自身の映画作りの基盤になっていることを明かした。

【写真】映画『ドライブ・マイ・カー』

 村上春樹の同名短編小説を原作に映画化した本作。第74回カンヌ国際映画祭で日本映画史上初となる脚本賞をはじめ4冠を達成すると、第94回アカデミー賞でも日本映画史上初となる作品賞ほか、脚色賞、監督賞、国際長編映画賞の4部門でノミネートされるなどすでに大きな偉業を達成している。

 そんな快進撃にも常にキャストやスタッフの仕事を称えてきた濱口監督だが、見事最優秀監督賞を受賞すると「今日は3月11日。11年前の今日地震がありました」と切り出す。続けて濱口監督は「津波があり、原発事故がありました。私は震災が起きてから2年ほど酒井耕という人と共同監督で、津波の被害にあわれた方たちのドキュメンタリーを作っていました。いろいろな被害にあわれた人たちだったのですが、力強く生きる姿を示してくださって、自分はこういう生命力を捉えていきたいと思うようになりました。そのことが、いま自分が監督をする基盤になっていると思います」と語る。

 さらに濱口監督は「その方たちに、この映画を通して『自分はこういうことをやっています』と伝えたいし、お礼を申し上げたいです」と強い視線を送ると「自分たちの一つ一つの仕事が未来を作っていくことなんだと思います。もちろん間違えることもありますが、そうしたら引き返して、いまいるところから進んでいくしかない。いい社会にするとか良い世界にするというと大げさですが、この場所からしか始まらないと思っています」と映画作りへの熱い思いを語っていた。

■優秀監督賞(★が最優秀賞受賞作品)
★濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』
白石和彌『孤狼の血 LEVEL2』
瀬々敬久『護られなかった者たちへ』
成島出『いのちの停車場』
西川美和『すばらしき世界』

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