河瀬直美、東京五輪・公式記録映画の撮影を振り返る「本当に稀有な時間」
映画監督の河瀬直美が24日、都内で開催された映画『東京2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』製作報告会見に出席。総監督を務める河瀬は「みんなとともに駆け抜けた、本当に稀有な時間」と語ったほか、ロシアによるウクライナ侵攻についても言及し「映画が、皆さんにとって、光でありますよう願っています」と思いを明かした。
【写真】『東京 2020 オリンピック』製作報告会見に出席した河瀬直美監督
東京五輪の公式記録映画である本作は、アスリート側の目線で描く「SIDE:A」と、アスリートを支えた人々の視点で描く「SIDE:B」の2本で構成されている。撮影は750日、トータル5000時間にも及んだ。
河瀬総監督は「SIDE:A」について「映画でもそうですけど、賞を取るとか、一等賞を取るとか、ある意味、目先の勝利、今この瞬間の勝利っていうことだけに関わらない。人生の勝利者になるという、そういうことも含めて、私は描きました。ですから、金メダルを取った人だけが、この映画に登場するのではなく、むしろメダルを取れなくても、人生の勝者たる行いをしている人たち、そういう人たちにフォーカスして作品を作っています」と紹介。
「SIDE:B」に関しては「なぜそこ(競技の結果)にささいな差が出るのかという。そこの部分を支えた人たちの類まれなる時間あるんだろうなという風に思ったので。例えばコーチや、かつて現役選手で今は監督をしている人たちとか。そういう人たちにもスポットを当てて、Bの方は構築しています」と語った。
総勢150名で撮影を行っていたという河瀬総監督は、すべての現場に行くことはできないジレンマがある中で、スタッフとの報告会を毎日設けていたと発言。「ほぼ寝てないっていう(笑)。走馬灯のように蘇ってきますね。とても暑い夏。寝るというか、意識が常にピークになっているので。みんなとともに駆け抜けた、本当に稀有な時間」と振り返っていた。
『東京2020オリンピック SIDE:A』は6月3日より、『東京2020オリンピック SIDE:B』は6月24日より全国公開。