ホアキン・フェニックス×マイク・ミルズ監督、何ヵ月もかけて実現した奇跡の初タッグ秘話
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オスカー俳優ホアキン・フェニックスが主演し、マイク・ミルズが監督と脚本を務めたA24製作の映画『カモン カモン』より、本作で初タッグを組んだホアキンとミルズ監督のコメントと、メイキング写真が解禁された。
【写真】『カモン カモン』フォトギャラリー
本作は、突然共同生活をすることになったラジオジャーナリストと彼の甥が織りなす感動のヒューマンドラマ。ニューヨークを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン)は、妹が家を留守にする数日間、9歳の甥ジェシー(ウッディ・ノーマン)の面倒を見るためにLAに飛ぶ。それは彼にとって、子育ての厳しさを味わうと同時に、驚きに満ちあふれたかけがえのない体験となる。それぞれの孤独を抱えたふたりは、ぶつかりながらも真正面から向き合うことによって、新たな絆を見出していく。
『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキンと、『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』など身近にいる大切な人をテーマにした作品を生み出し続けるマイク・ミルズ監督が、初タッグを組んだ本作。今回到着したのは、ホアキンとミルズ監督が、念願の初タッグに至るまでの経緯や撮影秘話などを明かすコメント。
■「僕が最も好きな俳優」(ミルズ監督)/「監督と会ってみて僕が好きになれる人かどうかってことが大事」(ホアキン)
ホアキンとの仕事を熱望していたというミルズ監督は「彼の出演作を観る度に、いつか一緒に仕事をしたいと思っていた。彼がどれだけインテリジェントで、クリエイティブな意味でずば抜けた才能があるのか、それに絶対にありきたりなことだけはしたくないのもよく分かる。彼みたいな俳優は僕が最も好きな俳優なんだ」とその理由を説明。
そんな熱烈オファーを受けたホアキンは「僕が映画の出演を決める時、その監督がこれまでどんな作品を作ったのかはそれほど大事ではないんだ。監督と会ってみて僕が好きになれる人かどうかってことが大事なんだよね」と出演作を選ぶ際のこだわりを明かす。そして本作の脚本を「非常に興味深くて、無限の可能性があるように感じたのは大きかった。今振り返ってみても、この物語では、自分が共感できると思えるような瞬間とか感情がたくさん描かれている」と気に入り、監督に会うことを決意したという。
■何度も台本を読み合わせ、何ヵ月もかけて築いた友情関係
そうしてまずはランチを一緒にすることになった2人だったが、開口一番ホアキンは「この映画はすごく面白そうだけど、僕にはできない。どうやって演じればいいのか分からないんだ」と告げたという。そこで2人は、お互いを理解するために何か月もかけて台本を一緒に読み込んだ。ホアキンがミルズ監督の家を訪問し、ホアキンがジョニー役、その他全ての役をミルズ監督が演じる。時には4~5時間かける日もあった。
ミルズ監督は当時を振り返り「物語を検証し一緒に台本を練り上げていった。その中で、お互いの経験や考えについても語り合った。子供とは、大人とは、家族とは、兄妹ってどんなものかってことをね。そういうことを繰り返すうちに、彼のことをどんどん好きになっていった」と語っている。
こうしたプロセスを経てようやくホアキンは出演に対して首を縦に振った。ホアキンは、本作への出演の決め手について「ミルズ監督となら一緒に仕事ができるって思えた。つまり、一緒に何かクリエイティブなことができると思えた。僕から今までとは違う何かを掴み出してくれるのかどうか、僕に何か新しい視点をくれるのかどうか、ってことだね」とコメント。当時の状況についてミルズ監督は、ホアキンとの友情を感じる一方で「映画に出てくれるのかどうかは実際の撮影が始まるまで全く分からなかったよ」と明かしている。