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『犬王』ロック×室町時代で描く“平家”の魅力 人気作で語られなかった物語に迫る

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■平家に連なるもうひとつの物語が明かされる『犬王』

 本作の舞台は、『平家物語』で描かれた源平合戦から200年後。『鎌倉殿の13人』で描かれる鎌倉幕府も、その後に覇権を握った北条家も滅び、その物語が琵琶法師たちによって過去の伝説として語り継がれる室町時代だ。

 かつて戦に敗れた平家の骸や遺物が今も海中に眠る壇ノ浦に暮らしていた少年・友魚(ともな)は、偶然にも海中から見つけ出した三種の神器のひとつ“草薙の剣”を見つけるが、その剣の呪いによって両目の視力を失ってしまう。ひとりで都へと向かう盲目の友魚は、途中で出会った琵琶法師の弟子となり、自らも琵琶法師として平家の物語を語り継ぐことになる…。

 そんな友魚が偶然出会ったのが、猿楽能の一派“比叡座”の棟梁の子・犬王。異形のためひょうたんのお面をつけられたまま疎まれて育ったが、その逆境をものともせずに見よう見まねで能を学び、特異な体つきと生まれつきの才能を生かして人とは違う舞を舞いはじめる…。

 2人は言葉よりも先に琵琶と踊りで共鳴し意気投合。当時の琵琶法師たちの語りでは明かされない、歴史に忘れ去られた物語を型破りなショーと共に披露し、一気に時代のスターダムを駆け上がっていく。

 メガホンをとったのは、アニメの鬼才・湯浅政明。脚本には『アンナチュラル』をはじめ、『罪の声』『MIU404』で名バディを描いてきた脚本家・野木亜紀子。キャラクター原案には『ピンポン THE ANIMATION』でも湯浅監督とタッグを組み、原作小説の表紙も手掛けた松本大洋。歴史監修は『鎌倉殿の13人』『平家物語』でも風俗考証・歴史監修を務める佐多芳彦。

 はみ出し者の2人の少年が時代の頂点へと駆け上がるサクセスストーリーと友情を描く本作。『鎌倉殿の13人』で描かれる武士たちのドラマティックな絆、『平家物語』の諸行無常の切なさを兼ね備えながらも、室町時代×ロック・ミュージカルという新たな世界観で語られる“知られざるもうひとつの物語”に注目が集まる。

 映画『犬王』は5月28日全国公開。

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