岩松了書き下ろし舞台『青空は後悔の証し』開幕 石田ひかり「これまで味わったことのない感情の連続」
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<岩松了コメント>
シアタートラムでは、女子高生の話を書いた2013年の「不道徳教室」から9年振りの公演になります。
「青空は後悔の証し」は年齢を重ね、それぞれに社会性を背景にかかえて生きてきた父親と息子の関係を書こうと思いました。そんな関係を風間さんと豊原くんという優れた俳優たちにやってもらったら面白いかなと。一輪の花として石田ひかりさんには息子の妻を。ひと組の親子、ひと組の夫婦。この人たちが見上げる「青空」はどんな色なのか、劇場で一緒に見上げて頂ければと思います。
<風間杜夫コメント>
不安もあるけれど、早くお客さんに観て頂きたいという期待感の方が大きいです。
お客様の想像力に委ねる部分のある作品なので、観てくださった皆さまそれぞれが違う思いで眺め、それぞれに異なる印象を持つと思います。それだけに感想をお聞きするのが楽しみです。
観劇して下さった皆さまの心に深く何かを残してゆく作品になるということは間違いありません。
お待ちしています。
<豊原功補コメント>
数年前、岩松さんの戯曲に立つ風間杜夫さんとの座組みをやりませんかとひとりひとりにぼちぼちとお話をして快諾をいただき、さて実現へと逸る気持ちを知ってか知らずかパンデミックという悪魔に延期を余儀なくされてやっとの今、思い叶ってとうとう開幕の日を迎えようとしています。
その今回の作品、岩松さん書き下ろし戯曲でしか味わえないブラックホールとも言うべき遠距離感と茶柱を見つめる近距離感は思いっきり濃度を高めて混在し、風間さんのどこまでも真面目で不真面目な得体の知れぬ存在感がその独特の戯曲世界に立ち上がっていくのがそばで見ていて堪りません。
と私はそれを他人事のように楽しんでいる場合でもなく、ご存知の方には説明も無粋というものですが岩松作品での登場人物は骨格をはっきりさせようとすればするほど遠ざかってしまうという迷路なところもあり、自虐と苦悩をひと回りしながら楽しむようなやや危ない脳内活動の時間に没入させてもらっています。結局は観客の入った本番から少しずつ見えてくる役柄の正体を待つしかないのだけど。
みなさまにも多くを感じ、劇場を楽しんで頂けますよう。
<石田ひかりコメント>
人生初の岩松作品は、想像を遥かに超える難しさと厳しさでした。わたしは今まで一体何をしてきたのだろうと思えるほど、岩松さんの稽古は厳しく、深く、これまで味わったことのない感情の連続でした。また、「セリフ自体にそんなに意味はない」「大事なのは関係性」「感情を幾重にも」「窮屈なキャラクターにならないで」「言葉は身体の状態だから」などなど、忘れたくない、忘れてはいけない言葉たちを浴び続けた時間でもありました。
果てしなく続くと思われた稽古を終えて、いよいよ初日となります。あとは終わっていくだけなのかと思うと、早くも寂しさを感じる自分に驚いています。岩松さんに教えていただいた事を心と身体に染み込ませ、出演者のみなさんと心をひとつにして舞台に立ちたいと思います。岩松さんの世界へ、どうぞいらしてくださいね。劇場でお待ちしています!
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