役所広司主演、菅田将暉&森七菜と親子に 『銀河鉄道の父』2023年GW公開決定
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第158回直木賞受賞作『銀河鉄道の父』が、役所広司を主演に迎えて映画化され、2023年のGWに公開されることが決定した。役所は宮沢賢治の父親・宮沢政次郎役。息子の宮沢賢治を菅田将暉、賢治の妹トシを森七菜が演じる。
【写真】役所広司が宮沢賢治の父親・政次郎に 映画『銀河鉄道の父』場面写真
原作『銀河鉄道の父』(講談社文庫)は、宮沢賢治の生涯を、賢治の父・政次郎の視線を通して活写する、究極の親子愛を描いた物語。作家・門井慶喜が、大量の宮沢賢治の資料の中から父・政次郎について書かれた資料をかき集めて執筆した。
父の代から富裕な質屋を営む宮沢政次郎。長男の賢治は、本来なら家を継ぐ立場だが、適当な理由をつけてはそれを拒み、学校卒業後は、農業や人工宝石、宗教と我が道を行く。そんな息子に対し、政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、賢治のためなら、とつい甘やかしてしまう。やがて、妹・トシの病気を機に、賢治は筆を執るが―。
小説は2016年に発売され、2017年から映画化プロジェクトが始動。役所広司、菅田将暉、森七菜といった実力派俳優陣が集い、今年の5月と6月に撮影が行われた。
役所は、責任感と情熱のある明治の男だが、子どもにはめっぽう甘い父・政次郎役。菅田は、親泣かせの息子・賢治を短髪坊主頭で演じ、森は、政次郎と賢治がお互いうまくいくように指南する賢くしっかり者の妹トシ役を務めた。監督は、『八日目の蝉』『いのちの停車場』の成島出。
本作について、主演の役所は「原作に、宮沢賢治の父政次郎のことを『厳格だが、妙に隙だらけの父親だ』というような一文があり、これを手がかりに息子であり、作家宮沢賢治の大ファンの男を演じてゆこうと思いました。また、この人物を作り上げる為に『花巻弁』を聞き取れるギリギリまで攻めてゆけば強力な武器になると信じ頑張りました」と役作りを振り返った。
宮沢賢治役の菅田は「賢治の父や母、妹、弟、祖父、家族との時間がいかに彼の人生にとって大切であったか。偉大な作品の裏側を想像すると、ひとりの何者でもない青年にも見えてきました。役との出会いはいつも不思議な縁を感じますが、今回ほど出会えて良かったと思わされた現場も珍しいように思います。過不足なく演じることは不可能かもしれませんが、自分なりに宮沢賢治と真摯に向き合わせて頂きました」とコメント。
トシ役の森は「『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』など、あの名作たちが生まれた時間を肌で感じることが出来た事は、今後の人生においてもとても貴重で豊かな経験になりました。宮沢賢治作品は国語の教科書などで読んだりもしていたので少し難しく考えてしまっていましたが、そんな若い世代の人にも、宮沢家の暖かく愉快で人間味溢れる時間が描かれたこの作品を通して、より宮沢賢治作品を楽しめるきっかけにもしていただけると思います」と語る。
成島監督は「役所広司さんの大らかで人を惹きつける父・政次郎、菅田将暉さんの繊細で透き通ったガラスのような息子・賢治、森七菜さんの賢明ではじけるような輝きを放つ妹・トシに、ご自身の家族や大切な人を想いながら観て頂けたら幸いです」。原作者の門井は「この世には、親子の数だけ銀河がある。私は今回の映画化をもっとも楽しみにしている者のひとりです」と、それぞれメッセージを寄せている。
映画『銀河鉄道の父』は2023年GW全国公開。
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