岩田剛典「信じて応援してきてくれた方々が、悲しい思いして欲しくない」 ファンへの深い感謝
原田ひ香の人気小説を原作に、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』の脚本家・ふじきみつ彦が切なくもユーモアたっぷりに描く“終活青春グラフィティ”『一橋桐子の犯罪日記』(NHK総合/毎週土曜22時)が、10月8日よりスタートする。同居していた親友を失い、このまま孤独死してしまうのではという思いにかられ、余生を刑務所で過ごそうと“ムショ活”を開始する主人公・一橋桐子。そんな桐子が頼りにするパート先の上司・久遠樹を演じる岩田剛典から、インタビューコメントが到着。“ワイルドな風貌”というこれまでにないイメージの役柄への挑戦や、昨年デビュー11年目にしてソロ名義でアーティストデビューを果たしたが、長年応援してくれたファンへの深い感謝と「恩返ししたい」という思いを語った。
【写真】ファンへの感謝を語った岩田剛典
■久遠はとてもやりがいのある役柄
――松坂慶子さんの上司役で、ワイルドな風貌という岩田さんの役柄が紹介された際、SNSを中心に大きな反響がありましたが、久遠はどんな人物ですか。
まずはパッと見のビジュアルですね。普段と全然違うので、そこはすごく新鮮に感じていただけるのではと思います。役柄も、これまで演じてきたものと違うイメージなので、ファンの方にも楽しんでもらえるんじゃないかと。
久遠は主人公にとって、“犯罪計画のアドバイザー”的な感じかと思うのですが、大きな影響を与える人物だったので、とてもやりがいのある役柄でした。見た目はワイルドですし、もともと刑務所に入っていた過去があったりとか、ちょっと特殊ですよね。あとインテリな面もあって、〇〇〇(ぜひ本編でチェックを!)を目指していたとか。そこのバランス感はかなり特殊な人物だなとは思いつつも、人に対しての向き合い方がちょっと不器用な感じだったり、人間味のある、すごく普通の人だなとも思います。
――久遠をそういう入りから見て行くと、変わっていきますか?
最初は素性がわからないというストーリーでの立ち位置で進んでいくのですが、だんだん桐子に心を開いていきますし、その中でちょっとずつ人間性が見えてキャラクターになっていくということですよね。順撮りではなかったので変わるきっかけだけこのシーンだなと決めて、そこでの前後の芝居を意識しながら変えるという感じでした。
――脚本の面白さに惹かれたということですが、例えばどんなところですか?
親友を亡くしたお年を召した方が、残りの後生をどういう風に過ごしていくのか、また残された時間が限られた中での“幸せの在り方”だったりとか。今回の作品のテーマはある意味、日本における社会問題でもあると思います。高齢化社会においてどのように有意義に時間を使って、人それぞれの幸せをどういう風に見出していくのか、登場人物の複雑な絡み合いでそれを表現していくのだなと思いました。
――主人公は70歳ですが、岩田さんの中でも共感するところはありますか?
まだ自分が70歳になったときのことは想像できていないですけれど、きっと年代それぞれによって生きるモチベーション、生活のモチベーションって変わってきていると思うんですよね。
自分が10代の頃とは今違うモチベーションで生活してると思いますし。“今を生きる”というとかっこつけた言い方になりますが、今を一瞬一瞬紡いでいくことが、未来につながるかなというマインドで生活しています。70くらいになったら自分のやりたいこともある程度やりきって、ある程度いろんな景色をみて、いろんな人と出会って、そしてこの先自分の人生何を残していくか。これって普遍的なもので、誰しもがぶちあたる問題だと思うんですよね。今回の作品を通して、結局“人のために生きていることが幸せになるのかな”ということを感じました。
――共演された松坂慶子さんの印象について教えてください。
声が毎日心地よいですね。普段とお芝居されている姿とあまりお変わりないのではと思うくらい、ナチュラルに桐子を演じられています。僕はすごくやりやすいです。初日の段階ですごく息の合うシーンが作れたので、勝手ながら手ごたえを感じていましたし、やっぱり大先輩とこうやってたくさんご一緒させていただけるシーンが多いと嬉しいです。
松坂さんは日頃から身体を鍛えてらっしゃるとおっしゃっていて、ずっと姿勢がすばらしくいいんですよ。現場ではジムの話とかの話をしました。疲れたところも見せずぴんぴんしてるので、尊敬しかないですよね。弱音吐いてられないなと思わされるような方だと
思います。