『THE FIRST SLAM DUNK』物語は“痛み”にフォーカス 井上雄彦「関わるならそういう視点で」
仕事は、「とりあえずやりたいことを抜き出していく。ザクザクと山を何個か置いていく」ところから始めたという井上。本作のストーリーラインを考えるにあたり、連載中と現在の視点や価値観の変化が大きく影響していると明かす。
「『SLAM DUNK』を描いていた時、自分は20代で。23歳から29歳の6年間だったんですけど。マンガ家としても描けば描くほどうまくなっていく、そういう時期なんですよね。体力もあるし、無理も無理と思わないような時期で、ずっと右肩上がりの一直線なんですよ、価値観が。で、主人公は身体が大きくて、ものすごい能力を秘めている。無限の可能性がある主人公だった。あの時はその物語がすごいハマったと思うんです」と語る井上。連載当時は、自身の漫画家としての成長期と、可能性を秘めた主人公の物語が「ハマった」という。
しかし、連載終了から26年が経って視点や価値観がだいぶ変わったようだ。「変わったというか…増えたんですね。痛みだったり、うまくいかないこともいっぱいあるよなって、みんなそうだと思うけど自分も経験して。痛みを抱えていてとか、痛みを乗り越えてとか、そういう存在の視点で描きたかったんです。みんなそうじゃないですか。無限の可能性を秘めている人ばかりじゃないので。みんな痛みと共に生きている。そういう視点で今の自分だったら描けるんじゃないかなと。そういうところにスポットを当てたい、フォーカスしたい。自分が関わるならそういう視点でやりたいというのがありました」。
公開前に明らかになることはなかった映画『THE FIRST SLAM DUNK』のストーリー。そこには、井上の“新たな視点と価値観”による「ファンに喜んでもらいたい」「痛みにフォーカスしたい」という思いが反映されている可能性が高い。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』は本日12月3日より公開。
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