母ジェーン・バーキンの真実に迫るシャルロット・ゲンズブール初監督作、内田也哉子らの共感メッセージ到着
■内田也哉子(文筆業)
母を切望する娘の眼差しは、あまりに柔らかく、鋭く、リリカルで……いつしか呼吸するのも忘れ、画面に見入っていた。容易に解かれない愛のミステリー。けれど、彼女たちの佇まいに、言葉の端々に、答えはちゃんと存在していた。
■小林麻美
Parisでジェーン・バーキンの家に行った時、3階の部屋で机に向かって勉強していたシャルロット。可愛くて透明でシャイな少女が大人になり、監督になった。歳を重ねたジェーンのすべてを優しくありのままに映し撮っていた。ボーカルをなくしたシャルロットの音楽もいい。
■土屋アンナ(モデル・アーティスト・潜水士)
母と娘の関係は様々である。JaneとCharlotteはお互いを否定することの無い関係に見える。でもそこに至るまでには葛藤ややり場の無い寂しさがあり、長い時間をかけてようやくお互いの存在を理解して行く様が見えて来る。私と私の母との関係、そして私の娘たちとの関係を、改めて深く考える事を教えてもらえた気持ちになった、素晴らしい作品。
■野宮真貴さん(ミュージシャン・エッセイスト)
時代のアイコンであり、親子であり、女優同士でもある二人がカメラを通じて初めて語り合う極めてパーソナルな、それ故に普遍的な人生の物語。母であること、娘であること、愛すること、老いること、愛する人を失うこと、戸惑いと和解を繰り返しながら、それでも前を向いて生きていくこと。今年、最も心に響くドキュメンタリー映画です。
■ヒグチユウコ(画家)
ジェーン・バーキンをスクリーンでちゃんと観たのは『欲望』が最初。アイコンとしてではなく等身大の視点でみたことがなかった私は、シャルロットとのぎこちなくも愛のあるやりとりに妙に胸騒ぎを覚えながら観た。多分自分の中で消化しきれてない私の人生の棘を刺激されたのかもしれない。
■松田美由紀(俳優)
まるで、私を見ているようだった。子供たちに愛を捧げ、それ故に怯えてる嫌われたくなくて、ずっと愛してほしくて。子供たちの為ならどんなことでもできる用意がある。どんな時でも。でも、その事はいつも秘密。親子。愛を繋ぐ~
■松田ゆう姫(アーティスト)
母に抱く憧れや尊敬、そして複雑な感情が全て素直に描かれていて、私も娘としてシャルロットに通ずる想いを感じた。母でありアーティストであるジェーンの言葉は柔らかくて美しくて、人間的。まるで私の母みたいだなぁと思うところもあって、とても素敵な映画だった。