『果てしなきスカーレット』芦田愛菜、岡田将生、細田守監督がヴェネチアに初上陸!

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細田守最新作『果てしなきスカーレット』(英題:Scarlet)が、第82回ヴェネチア国際映画祭「アウト・オブ・コンペティション部門」選出され、芦田愛菜と岡田将生、そして細田守監督が映画祭会場の地・ヴェネチアに初上陸した。
【写真】芦田愛菜、岡田将生、細田守監督がヴェネチアへ! 街中散策の様子
本作のテーマは、“生きる”。「人は何のために生きるのかを問う、骨太な力強い映画を目指したい。今、この大きなテーマを、観客と一緒に考えたい」という細田監督の想いから始まった本作は、主人公の王女・スカーレットが父の復讐に失敗するも、死者の国で再び、宿敵に復讐を果たそうとする物語だ。
スカーレットの声を演じるのは、芦田愛菜。そして、芦田演じるスカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師・聖(ひじり)を岡田将生が演じる。
第82回ヴェネチア国際映画祭の公式ラインナップ記者会見内で、本作が「アウト・オブ・コンペティション部門」への選出が発表されると、細田守監督は「愛を見つけ、共に手を取り合い生きることが、私たちの未来を肯定することに繋がると信じて、この新しい作品を全世界の皆さんに届けたいと思っています」と熱意のこもったコメント。
現地時間9月4日21時30分に本作が、ヴェネチアで世界初お披露目となる。
現地時間9月3日、芦田、岡田、細田監督がヴェネチアの街に到着。公式上映を翌日に控えながら、3人は初めて訪れた、映画祭の会場である水の都・ヴェネチアの街を観光した。
主人公の王女・スカーレットを演じた芦田は、イタリアが舞台の『ローマの休日』でオードリー・ヘプバーンが演じたアン王女のような“王女のお忍び散策”を思わせる、リボン付きの青いストライプシャツにジーンズ姿で登場。雲一つなくピカピカに晴れた青空の下、「(日本とは)太陽のパワーが違います!」とハツラツとした表情を見せる芦田。一方、岡田は、古いヴェネチアの街並みにぴったりの爽やかな緋色を基調とした服装でヴェネチアの街に降り立った。本作の世界への第一歩となる“果てしなき”旅のスタートです!
本作は中世ヨーロッパが舞台となっており、時代は異なるが、物語の世界観に近い、同じヨーロッパの街並みが広がるヴェネチアの景色を前に一同は、「“綺麗!”しか言えなくなるくらい、表現力を失ってしまう美しい街です!」「(まだヴェネチアに)来たばかりだけど、すでに帰りたくない!」と感動。
最初に訪れたのは、ヴェネチアの観光スポットの中でも人気の高い“世界で最も美しい広場”と呼ばれるサン・マルコ広場。サン・マルコ寺院や鐘楼など数々の観光名所で囲まれた広場には、映画祭関係者をはじめ、さまざまな国から訪れた観光客で賑わっていた。歴史的な建造物がある広場の中に、現代のカフェや土産屋台が立ち並ぶ風景をバックにした撮影は、まるで過去と現在が交差するような“時を超えた”フォトセッションに。
次に3人が訪れたのは「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」を一望できるスポット。この聖堂は、ヴェネチアの美しい風景の象徴とも言われる建造物で、17世紀に流行したペストの沈静化を願って建てられた。現地の人々にとって、国や宗教を超えた希望のシンボルでもあり、本作で登場する死者の国における“見果てぬ場所”のような神聖な場所とされている。澄み渡る青空と聖堂から成る美しいその景色を、一同は圧倒されたように見渡していた。
そして、かねてよりヴェネチアへの訪問を熱望し、「もし訪れることが出来たら“ゴンドラ”に乗ってみたい!」と語っていた芦田は今回のヴェネチア散策の中で、念願のゴンドラに初乗船。「青空と綺麗な景色を楽しむことができて、素敵な街を感じ、とても心地よかったです」と水上からの街並みを堪能した。また岡田もずっと乗ってみたいと思っていたと話し、「ゴンドラに乗ってみると、街の見え方が変わるんだと感じました」とゴンドラ観光の感想を述べ、水の都・ヴェネチアの魅力を存分に楽しんだ。
ほかにも2人はヴェネチアの有名な観光スポットの1つで、“白い巨象”という愛称で多くの人から親しまれていまカナル・グランデ(大運河)にかかるリアルト橋にも足を運び、歩いて街中も散策。オレンジや黄色などの明るい色で彩られた建物で囲まれた水路や路地裏、カラフルなパラソルで埋め尽くされた通りなど、どこを切り取っても絵になる情緒あふれる光景を満喫。また、名物のイタリアンジェラートを味わうなど初めて訪れるヴェネチアの街を心ゆくまで堪能した様子だった。
今回の選出で、カンヌ・ベルリンと世界三大映画祭の全てに参加することとなった細田監督は「ヴェネチア国際映画祭は、映画を作る者として、ずっと憧れの地でした。この中世の街の中で最新の映画祭が行われることの、この地の芸術に対する器の大きさをすごく感じています」と喜びを噛み締めつつも、映画祭に対する熱いリスペクトの気持ちを語る。
今回海外映画祭初に参加となる芦田は「映像も音響も大迫力なものを、劇場の大きなスクリーンで(お客様と)観られるということがとても楽しみです」と明日に控える公式上映への気持ちを述べ、岡田は「お客様がどのように作品を受け止めるのか、同じ空間でリアクションを感じながら、自分も反応しながら観ることが出来たら素敵な体験ができるのではないかと思っています」と映画祭への期待を口にした。
映画『果てしなきスカーレット』は、11月21日公開。