“胸キュン”ブームをけん引した福士蒼汰、9年ぶり恋愛映画主演 切なく温かな“大人の恋人”を熱演
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福士蒼汰が、9年ぶりに恋愛映画主演を果たす、スピッツの名曲を原案にした『楓』。これまで数々の恋愛映画で観る者を“胸キュン”させてきた福士が、同作で愛する人のために“真実”を隠す「優しい大人の恋人」を繊細に熱演する。福士の役を通して表現される優しさと包容力、そして本作ならではの演技の魅力に迫ってみよう。
【写真】『楓』福士蒼汰、切なく温かな“大人の恋人”を繊細に表現
スピッツの「楓」をデビュー34年にして初めて映画化した本作。福士蒼汰と福原遥がダブル主演を務める。監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)の行定勲。オリジナルストーリーを書き上げたのは脚本家・高橋泉。音楽はYaffleが担当する。
これまで数々の恋愛映画で観客の心を魅了してきた福士。『好きっていいなよ。』(2014)では学校イチのモテ男、『ストロボ・エッジ』(2015)では全女子の憧れの的・一ノ瀬蓮を演じ、その爽やかな笑顔と誠実さで恋愛映画の象徴的存在となった。さらに『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)では、ファンタジー設定の中で切ない運命に翻弄される青年を好演。愛する人との限られた時間を生きる繊細な演技で、多くの観客の涙を誘った。
そんな福士が、最新作『楓』で9年ぶりに恋愛映画の主演としてスクリーンに復帰。今回演じるのは、愛する人のために、亡くなってしまった“弟のフリをして生きる”宿命を背負った主人公・涼だ。
涼は、事故で亡くなった双子の弟・恵の恋人である亜子(福原)に弟と間違えられ、亜子を傷つけたくないという優しさゆえに、自らの素性を隠し“弟として亜子を支える”という選択をする。二重の生活を送りながら、彼女の悲しみを少しでも和らげようとするが、共に過ごす時間が増えるほどに、涼の中でも亜子への恋心が静かに芽生えていく。
本当の事を言えないまま、涼としての自分と恵として振る舞う自分の狭間で揺れ動く涼。亜子を見つめるその優しいまなざしや、さりげないやり取りひとつひとつに、亜子を想うがゆえ真実を抑え込んでしまう悲しみと、包み込むような温もりが宿っている。運命に翻弄されながらも愛する人を思いやる“優しい恋人”を、底知れない包容力で見事に表現する福士の姿に思わず引き込まれてしまう。
撮影現場で福士は、亜子を演じるうえで迷う福原の姿を傍らで見ていたという。「亜子と遥ちゃんが迷ったり悩んだりしているのが重なって見えたんです。だから僕自身は涼として、福士蒼汰として、いつでもここにいる存在でいたいと思いました。何かあったら声をかけてもらえれば、ちゃんと励ませるように」と語り、役としても俳優としても福原に寄り添い続けたことを明かした。
一方の福原も、福士について「とにかく優しい!」と評し、「こんなに撮影が始まる前から役についていろいろお話したのは初めてでした。シーンごとの感情や意図を共有したり、セリフ合わせを何度もしたり、相談にもたくさん乗ってもらいました。本当に感謝していますし、尊敬しています」と語る。
さらに「涼と亜子が一緒に過ごすお家でのシーンでは、福士さんが隣にいてくれて、すべてに安心を感じながら演じていました。海辺で星を観測する、物語の中でも重要なシーンがあるのですが、亜子の複雑な心境を涼がすべて受け止めてくれていて、二人が少しずつ歩み寄る場面は優しさと温かさ、包容力を強く感じました」とコメント。福士が醸し出す優しさと包容力が、真実を言えないまま惹かれあってしまう、涼と亜子の関係性を支える大きな軸となっていることがうかがえる。
福士が優しさと包容力に満ちた大人の男性にふんし、新たな魅力を披露する『楓』。スピッツの名曲に込められた想いを胸に紡ぐ、切なくも温かなラブストーリーを、スクリーンで堪能したい。
映画『楓』は、12月19日より全国公開。

