<ゆうばり映画祭>伝統の作画&特撮技術をリスペクト!「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの裏側

北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」で1日、特別プレゼンテーション「<VFXの今>【スタジオカラー】が巻き込む特撮・VFXの今」が行われ、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの裏側が明かされた。
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スタジオカラーは庵野秀明監督が代表取締役を務める株式会社カラーによるアニメーション制作スタジオで、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズを主に手掛け、最新作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は興行収入52億円のヒットを記録した。アニメーション、特撮、CGをハイブリッドさせ、無二の映像世界を作り上げるのが特徴で、今回はCGIプロデューサー・瓶子修一氏とCGIディレクター・小林浩康氏が登壇し、“スタジオカラー流”の裏側を解説した。
瓶子氏がリードして進めたプレゼンテーションでは、まず時間も人手も圧倒的に足りていないというアニメ界の現状を説明。そこを補うべく人材が集まってきているのがCGではあるが、CGのレベルが日々向上しているとはいえ、作画や特撮の高みにはまだ達していないとやはり瓶子氏が言う。
そこでスタジオカラーでは優秀な作画スタッフが近くにおり、特撮の専門家にも協力を仰げることから、多くのミニチュアが保管された「特撮倉庫」を見学してCGで作成する街並みに活かしたり、作画チームが作成した流麗なアニメーションをCGでトレースして再現してみたりと、特撮・作画の高い技術をリスペクトし、CGもその高みに追いつけとばかり研鑽を積んでいる。
瓶子氏は「日本のアニメファンというのは伝統を継承する作品がほしいのではないかと僕は思っていて、それを今から特撮の人であったりアニメの作画の人たちに聞いていきながら作っていきたいと思っています」と最後に語り、これまでの伝統技術を尊重し、新たなアニメーション映像を作っていくことを誓っていた。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014」は3月3日まで北海道夕張市で開催。