自販機でしか買えない「セブンティーンアイス」 30年以上も愛され続ける理由を探る

ほとんどの人が一度は食べたことがあるけど、詳しいことは知らない江崎グリコの「セブンティーンアイス」(17アイス)。そして、よく考えてみるとアイスの激戦区とも言えるコンビニで商品を見かけることがない。その理由と、それでも愛され続ける人気の理由を担当者に伺った。
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レジャー施設や街角などで展開される「セブンティーンアイス」の自販機だが、展開当初は専用のショーケースで販売をスタートしたそう。「もっとアイスクリームを楽しんでいただける機会の拡大を目指し、自販機の開発に着手しました。“アイスのミニショップ”としてお客様に選べる楽しさと、おしゃれにアイスを提供するものとして、1985年より本格展開していきました」。
至る場所で見かけられ親しまれている理由を聞いてみると、「誕生当初、若者向けレジャー施設の代表として人気があったボウリング場で展開しました。ワンハンドで食べることができるスタイルがマッチし、一気に拡大したものと思います」と当時を振り返る。
また、「その後においてもさまざまな世代の生活シーンにおいて、色々な場所で楽しめるアイスという魅力がお客様にも伝わっているからではないかと考えております」と話す。思い起こせば、プールで泳いだ後にクールダウンしたいとき、飲んだ帰りにホームで電車を待っているとき、旅行先で泊まった旅館など、無性に食べたくなる場所に置かれており、ついつい買ってしまうことも多い。
さらに、大きな魅力の一つとして挙げられるのがシーズンによって変化する幅広いラインナップ。今秋の期間限定商品として並ぶのは「紫いも&抹茶」、「パンプキン&クッキー」。また、通常よりも値段が高い「スペシャルセレクション」では「宇治抹茶<あずき入り>」「ベルジャンショコラ」「チーズケーキ&クッキー」などリッチな味わいが楽しめる。
定番の売れ筋トップ3を聞いてみると、1位「ワッフルコーンバニラ」、2位「ワッフルコーンショコラ」、3位「木苺のチーズケーキ」とクリーミーなものが人気で、そのほか「ブルーベリーのチーズケーキ」や「チョコマーブル」も定番のラインナップとして不動の人気商品だ。
今後、コンビニ展開の可能性があるのか聞いてみると、「“自販機でしか買えないオリジナル商品”であるという事がこのシリーズの最大の魅力だと考えております。そのため、現時点においてコンビニでの展開は検討しておりません」と確固たる返答が返ってきた。
誕生から約30年経ってもなおブレないユニークなオリジナリティと、人のニーズをうまくとらえた展開方法が、多くの世代に浸透し愛される秘訣のようだ。