50年間の虐待から解放され涙を流したゾウ「ラジュ」の救出劇が映画化

去る7月、インドで所有者に虐待され続けた50歳のゾウのラジュ(Raju)が動物愛護団体によって解放され、涙を流したというニュースがインターネットを中心に話題になった。そのラジュの救出劇の映画化企画が進んでいるそうだ。
【関連】「動物園&水族館編」人気ランキング発表<フォトギャラリー>
Deadlineによると、ロビン・ウィリアムズ主演『グッドモーニング,ベトナム』(88)などを手掛けたハリウッド・プロデューサーのラリー・ブレズナーと、インドの元男子プロテニス選手ビジャイ・アムリトラジと息子プラカッシュ・アムリトラジが映画化権を獲得したという。3人はプロデューサーを務めるとのことだ。
ゾウのラジュのニュースが世界を駆け巡ったのは7月初旬。生後間もなく何らかの形で母親象から引き離されたと見られているラジュは50年間、鎖に繋がれ、自由に身動きできない中、虐待され続けたという。ラジュの状況を知り救出作戦を決行したのは、野生動物保護団体の「Wildlife SOS」。アメリカ支部とインド支部による1年にわたる入念な計画のもと、今年7月4日(現地時間)の夜にラジュを解放したという。
ラジュは物乞いの道具として扱われ、太いスパイクのついた足かせを24時間はめられ、餌もろくに与えられなかったとのこと。空腹をしのぐために、プラスチックや紙を食べていたという。体には無数の傷があったそうだ。虐待され続けたラジュは人間を信頼できず、救出作戦時に暴れる可能性があったが、飼い主が救出チームをひるませるため、ラジュに興奮するようしかけても成功しなかったという。ラジュは救出が行われている間、両方の目からたくさんの涙を流したそうだ。
映画は今回の救出作戦を率いたインド支部のカーティック・サティアナラヤン(Kartick Satyanarayan)と、アメリカ支部のニッキー・シャープを中心に描くことになるそうだが、その他の詳細は不明。