ハリウッドの “7年ルール”を乗り越えて、12年間撮影した画期的な映画

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『恋人までの距離(ディスタンス)』から始まるビフォア・シリーズ、『スキャナー・ダークリー』などで知られるリチャード・リンクレイター監督。これまで実験的な作品を手掛けてきたリチャード監督の最新作『6才のボクが、大人になるまで。』(11月14日公開)は6歳の少年メイソンとその家族の変遷の物語を、同じ主要キャストで12年に渡って撮り続けた画期的な映画として話題を集めている。
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本作が画期的、唯一無二の作品と称されるのは、その撮影期間の長さゆえだ。実は、ハリウッドには7年以上の役務提供契約を禁止する“7年ルール”なるものが存在する。これは、アメリカのコメディードラマ『モダン・ファミリー』の出演者たちが、2012年の契約再交渉において、出演契約の無効を訴える際に利用した規定でもあり、18歳になるか、契約から7年を経過したら、その契約に従う義務はないというものだ。
本作は、その“7年ルール”を乗り越え、監督らスタッフサイドと演者たちが信頼を築き、毎年撮り続けた末に完成した、苦労と努力の詰まった作品なのである。
あどけない少年から凛々しい青年へと成長していく主人公のメイソンを演じたのは、エラー・コルトレーン。母親役はパトリシア・アークエット、父親役はイーサン・ホーク、姉役はローレライ・リンクレーターが12年に渡ってそれぞれの役の変化を演じる。イーサンは、本作への出演について、「まさに実験的な映画だった。でもリック(リンクレイター監督)のことを知っていれば、それはリスクじゃない。実に楽しかったよ」と話している。