上白石萌音、日本アカデミー賞新人俳優賞『舞妓はレディ』を振り返る
本作の演技で、上白石は山路ふみ子映画賞・第26回新人女優賞と、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた。しかし初主演で燃え尽きると、かえって次の作品選びが難しくなるのではと外野は勝手に心配してしまう。
だが上白石は、果敢に新たな分野に挑戦した。昨年の12月、チェルノブイリ原発事故の直後に執筆された小説「みえない雲」を基に、27年前のドイツといまの日本を行き来する舞台『みえない雲』に主演。春子とは180度異なる、不安、哀しみ、怒りをぶつけるヒロインを熱演したのだ。
「また新しい自分を見つけられたような感じもしましたし、世の中についてもっと興味を持つようになりました」という上白石。そして「女優としての表現力に磨きをかけないといけないのはもちろんですが、まずは人として、きちんと中身のある人間にならなきゃいけないと思っています」と前を見据える。
ところで現在、彼女がハマっているのは「映画や舞台のチケットをノートにスクラップすること」。「ここ2年くらいずっと続けていて、全部貼って、感想も書いてます。昨日も、一昨日も映画館に行きました。もうすぐ1冊終わるんですよ」。どこにそんな時間があるのかと驚かされるが、「勉強も仕事も、映画やお芝居を観ることも、全部好きなことなので頑張れます」と言い切る。
ちなみに『舞妓はレディ』は映画館に行けなかったそうで、「母が試写会でもらったものを貼りました。そこに感想は書けてませんけど(笑)」と明かし、本作に関しては「きっと一生、客観的に観ることはできません」と、改めて大きな作品であると振り返った上白石。今度はどんな姿を見せてくれるのか、楽しみだ。(取材・文・写真:望月ふみ)
『舞妓はレディ』ブルーレイ&DVD、3月18日リリース。