宝塚星組トップ柚希礼音が退団 男役としての苦悩を振り返るも「最高に幸せだった」

宝塚歌劇団星組トップスターの柚希礼音(ゆずき・れおん)が10日、東京宝塚劇場にて『黒豹の如く』『Dear DIAMOND!!‐101カラットの永遠の輝き‐』千秋楽を迎え、サヨナラショーとセレモニーを終了後、すがすがしい表情で退団記者会見に現れた。
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開口一番、柚希は「本当に幸せです。長い間ありがとうございました」と挨拶し、頭を下げた。報道陣から「改めて、宝塚とはどういった場所だったか」と質問が挙がると、「夢のような場所と思っていたけれど、夢を見ているだけでは通っていけないような場所。でも、本当に自分を見つめて、いっぱい戦った後は、やっぱり夢のような場所かな」と感慨深げに語った。
男役については「男役がどういうものが格好よくて、お客様にとってどういうものが素敵かわからず、相当苦しみましたが、最終的に、男役だからこうだととらわれている形は素敵ではないんじゃないかと思い、本当に、女性でも男性でもない心の部分だけで演じることを目指して、何年もやりました」と振り返った。
これからは1人の女性として生活することになるが、「明日から、女性として生きていくことが信じられないし、何を着ていいかもわからない。なので、結婚の予定も全くないです」と笑いを誘い、「今後のことは徐々に考えていきます」とのんびりと答えた。
そして、「最後に込みあがる思いはやはり感謝と、最高に幸せだったという気持ち。大劇場のときより、今日はすがすがしい気持ちでした」と感想を述べ、「私は今日で宝塚が終わってしまいますが、これからも一緒に宝塚を応援しましょう」と笑顔で締めた。
大阪府大阪市出身の柚希は1999年に85期生として宝塚に入団し、2009年には星組男役トップに就任した。近年では早いトップ就任で、タカラジェンヌとしては16年ぶりに日本武道館でコンサートを開くなど絶大な人気を誇る。2010年には第65回芸術祭演劇の部・新人賞を受賞、2011年には菊田一夫演劇賞を受賞するなど、演技にも定評がある。