米有名私立校、人種分けして児童を教育 保護者から非難の声続出

ニューヨーク市私立トップ校でアッパーウエストサイドにあるThe Fieldston Lower Schoolが新しく導入した人種教育プログラムが、保護者から激しい反発を受けている。そのプログラムでは小学3年生から5年生までの生徒が “affinity group(共通性を持ったグループ)”として近い人種・民族ごとに分けられ、教育を受けるものだという。
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このプログラムの目的は、まず近い人種・民族グループに属する生徒とオープンにディスカッションをし、その後様々な人種を含むクラス全体での議論に移り、どう感じるかを共有し合うことだという。全生徒に必須の科目となっており、毎週1クラス、5週間にわたり行なわれる。
同校のウェブサイトによると、生徒のうち有色人種は約34%、教職員側のうち約15%の割合い。一部の親は、ホロコーストや日系人の強制収容、また公民権法制定以前のアメリカの歴史などを挙げ、人種ごとに子ども達を分けることに強く反発しオンラインで同プログラムを削除する嘆願書を提出している。New York Magazineによれば、1月に開かれた保護者会では同プログラムに関する議論が白熱し、一部の親は憤りを隠せない様子だったという。
自身を「民族的にはドミニカ系、人種的には黒人」とするクリスティーナ・メレンデスは、同校に2年生の娘が在学しており、同プログラムを支持している。メレンデスはNew York Magazineに対して「我が子に自分が当てはまる人種ボックスを選んで欲しくない、という人の気持ちはわかる。でも、選ばなくても、どのボックスに当てはまるかは既に選ばれている」と語る。
「私は、自分自身が黒人で、ラテン系の女性だということを人に言いたい。私は自分がどこに当てはまるかを選ぼうと思うし、私の子どもも選ぶことで強くなれると思う。そして自分で選んだ瞬間から、自分が思う人間として周りから認識される様になればいい。カテゴリーの中に押し込むことではなく、より子どもに自信を与えることだと思う」。
昨今、黒人男性が警官によって射殺された事件をきっかけに米国では抗議運動が相次いでおり、その中でFieldstonを含め教育機関の間で、若い年代から人種教育を行なう取り組みが行なわれている。